アメリカ証券取引委員会(SEC)のビットコイン(BTC)上場投資信託(ETF)に対するスタンスは維持するのが難しく、承認される可能性はかなり高いと、投資会社のバーンスタイン(Bernstein)が7月3日の調査報告書で述べている。
バーンスタインは、SECはすでに先物ベースのビットコインETFを認めており、最近ではシカゴ・マーカンタイル取引所(CME)のような規制された取引所で先物価格が設定されることを前提に、レバレッジ型の先物ETFを承認した。
ゴータム・チュガニ(Gautam Chhugani)氏率いるアナリストよると、SECは、ビットコインのスポットETFは「スポット取引所(例えば、コインベース)がSECの規制下にないため、スポット価格の信頼性が低く、操作されやすい」ため、信頼性がないと考えているという。
ビットコインのスポットETFは多数の申請がなされているにもかかわらず、規制当局はまだ承認していない。ブラックロック(BlackRock)の一部門が先月、ビットコインのスポットETFの組成を申請したことを受け、インベスコ(Invesco)やウィズダムツリー(Wisdom Tree)など、他の資産運用会社もビットコインETF商品の申請や再申請を行った。
報告書では、グレイスケール(Grayscale)がグレイスケール・ビットコイン・トラスト(GBTC)を上場投資信託(ETF)に転換しようとしていることを指摘している。
「当局は、先物価格がスポット価格から派生したものではないことに確信を持っていないようで、先物ベースのETFを認め、スポットを認めないというのは、当局にとって飲み込みにくい薬のようだ」とアナリストは書いている。
さらに、業界は現在、スポット取引所運営者とナスダックのような規制取引所との間の監視協定も提案しているという。
ビットコインのスポットETFがないため、グレイスケールのGBTCのような、より高価で流動性が低く、非効率的な店頭商品の成長につながっているとブローカーは述べている。グレイスケールは米CoinDeskの親会社であるデジタル・カレンシー・グループ(Digital Currency Group)が所有している。
「SECは、機関投資家のギャップを埋めるグレイスケールのOTC商品に対処するよりも、より主流のウォール街の参加者が主導し、既存の規制取引所の監視を受けながら、規制されたビットコインETFを導入することを望んでいる」と報告書は述べている。
|翻訳:CoinDesk JAPAN
|編集:井上俊彦
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|原文:Probability for U.S. Approval of a Spot Bitcoin ETF Is Fairly High: Bernstein