「インスクリプション(Inscription)」と呼ばれるプロセスを通じてビットコインのNFT(非代替性トークン)を生成するOrdinalsの活動が、BRC-69トークン標準の発表をきっかけに活発化している。
ブロックチェーン分析会社グラスノード(Glassnode)が追跡したデータによると、新規インスクリプションの数は7月10日に35万件以上に増加した。
OrdinalsのローンチパッドであるLuminexが7月3日にBRC(Bitcoin Request for Comment)-69トークン標準を発表して以来、インスクリプションは毎日250%以上急増している。 このBRC-20標準の修正バージョンは、Ordinalsの手数料を90%以上削減するために制定された。
「BRC-69により、Ordinalsコレクションの作成コストを90%以上削減することができる。このコスト削減は、(1)特性を登録する、(2)コレクションを展開する、(3)コレクションをコンパイルする、(4)資産をミントする、という4段階のプロセスによって達成される」とLuminexはツイートした。
「BRC-69の素晴らしさはそのシンプルさにある。ミントする者は、画像全体ではなく、1行のテキストを書き込むだけで済む。このテキストによって最終画像は、再帰的なインスクリプションのおかげで、オンチェーンリソースのみを使用して、すべてのOrdinalsフロントエンドで自動的にレンダリングされる」とLuminexは付け加えた。
これまでのところ、BRC-69はその通りに動作しているようだ。
Dune Analyticsが追跡したデータによると、新規インスクリプションの数は急増しているものの、インスクリプションに支払われる1日あたりの手数料は増加していない。
Ordinalsは1月に稼働し、ビットコインのブロックチェーンにNFTとスマートコントラクトの物語をもたらし、ビットコインレイヤー2のスタックス・ネットワーク(Stacks Network)のネイティブトークンであるSTXのようなトークンへの投資家の関心に拍車をかけた。
グラスノードによると、Ordinalsブームは2つの波に分けることができるという。最初の波は2月上旬から4月下旬までの活動で、画像ベースのインスクリプションが第一の波を牽引し、テキストベースのインスクリプションが5月に始まった第二の波を牽引した。
「インスクリプション数では、第二波は桁違いの大きさだったが、活動は5月以降一貫して減少している。今週はテキストによるインスクリプションが一時的に増加したが、ビットコインのメモリプール全体の未処理トランザクションはクリアされ始めている」とグラスノードは10日に発表された週次レポートで述べている。
|翻訳:CoinDesk JAPAN
|編集:井上俊彦
|画像:Glassnode
|原文:Bitcoin NFTs Back in Spotlight as Ordinals Cross 350K Daily Inscriptions