- ビットコインは7月としては異例の横ばい。
- ビットコインアドレスの74%が利益を上げている。
- 市場が次に注目するのは12日のCPI。
- CoinDeskのビットコイン・トレンド・インジケーターは引き続き「大幅な上昇トレンド」を示す。
ビットコイン(BTC)は7月としては異例の横ばいで推移。21%の上昇となった先月の値動きを追うのに投資家が消極的であることを示している。12日に発表される消費者物価指数(CPI)は、6月中旬以降で初めての重要なインフレデータであり、レンジ取引が続くかどうかを決定付ける可能性がある。CPIの低下が続けば投資家にとってはプラスになり得るが、横ばいまたは上昇した場合はマイナスに働く可能性がある。
今年ビットコインは好調
今年ビットコインは好調で、年初から84%上昇。しかし、月次データによると上昇の多くは冬季に発生している。1月と3月の日次平均上昇率はそれぞれ1.11%と0.73%だった。
6月のパフォーマンスも同様に好調で、主に世界最大の資産運用会社ブラックロック(BlackRock)のビットコインETF(上場投資信託)申請の発表によって日次平均0.41%の上昇となった。2月と4月は比較的横ばいの値動きとなったが、5月は今年唯一パフォーマンスがマイナスに転落した。
例年と異なり7月は低調
歴史的に7月はビットコインが好調な月だった。2014年以来、ビットコインは7月に平均0.39%上昇しており、全ての月の中で3番目に高い。2020年以降で計算すると、7月は日次平均0.57%の上昇で、10月に次ぐ2位だった。30営業日分で計算すると、それぞれの月の月次上昇率は約19%と12%だった。
ただし、これは2023年には当てはまらない。7月の日次平均上昇率はわずか0.03%で、30日分で計算すると約0.93%となる。
ビットコインの価格は2023年を通じて上昇傾向にあったが、月ごとの日次上昇率は減少傾向にある。ビットコインの上昇に関する興奮とは裏腹に、まだ年初の現象にとどまっている。
悲観的な投資家はビットコイン価格のトレンドを考慮するだろう。一方楽観的な投資家は、ビットコインが年初の上昇を維持しているという事実を重視する可能性がある。
ビットコインアドレスの74%が利益
調査会社グラスノード(Glassnode)のオンチェーンデータによると、ビットコインアドレスの74%が利益を上げており、強気派を裏付ける根拠になるだろう。ビットコイン保有者の利益率が高いということは、特に2023年の急激な上昇の後、投資家が現在のポジションを維持している可能性が高いことを意味する。
市場は7月利上げを織り込み済み
6月中旬以降で初めての重要なインフレデータとなるCPI発表では、逆風が吹く可能性がある。前月比0.3%の上昇が予想されているが、大幅に上昇した場合は価格の下押し要因となり得る。それでも、市場はすでに米連邦公開市場委員会(FOMC)の7月利上げを織り込んでいるため、価格を大きく動かすには大幅な利上げが必要となる可能性が高い。
最後に、CoinDesk Indicesのビットコイン・トレンド・インジケーター(BTI)は、ビットコインが大幅な上昇傾向にあること、つまり短期の移動平均線が長期の移動平均線を上回っていることを示している。
|翻訳:CoinDeskJAPAN
|編集:林理南
|画像:Shutterstock
|原文:Bitcoin Quiets Down in July After a Tumultuous First Half of 2023