デジタル玩具企業Cryptoysを運営するOnChain Studiosは、同社のキャラクターNFTに子供向けAI(人工知能)チャットボットを導入する。
「ChatGuardian」と名付けられたAIは、子供がNFTキャラクターと安全かつ適切な会話ができるよう、保護者がカスタマイズ可能なフィルター機能を備えている。Cryptoysが提供するガーディアン・コントロール・センターにログインし、特定のキーワードやトピックの会話を禁止できる。
Cryptoysは、ChatGuardianを取り入れることで、子供たちがデジタル玩具と会話する際に、NFT体験がより魅力的で楽しいものになると期待している。だが同時に、AIがもたらす不確実性や懸念も認識している。映画『ミーガン』に登場するAI人形のようなことにはならない。
ブロックチェーンとAIの時代に生まれた子供たち
OnChain StudioとCryptoysの共同創業者兼CEO、ウィル・ワインローブ(Will Weinraub)氏は、ブロックチェーンとAIの時代に生まれた子供たちは、Google Homeのような「顔の見えないロボット」ではなく、IP(知的財産)を活用したお気に入りのキャラクターと交流できるようになるべきだとCoinDeskに語った。
「子供たちがすでに慣れ親しんでいるようなAI機能を手にすることができる。今では当然のこと。しかも、子供たちの好きなキャラクターも一緒だ」とワインローブ氏。
「それが今回の大きな目的であり、安全な方法で提供できる。ChatGuardianを開発した理由はそこにある」
AIがより賢く、より進化するにつれて、ChatGuardianも進化していく。Cryptoysのチーフ・エクスペリエンス・オフィサー、アルフォンソ・マルティネス(Alfonso Martinez)は、同社の優先事項は安全基準を維持し、保護者が安心できる技術を提供することとプレスリリースで述べた。
「私たちは、AIの未来と、私たちの大好きなキャラクターに命を吹き込み、子供たちがこれまでにない方法でキャラクターと遊ぶことができるAIの素晴らしい能力を信じている。だが、最大限、安全なプラットフォーム上でなければ意味はない。それが私たちの目指していることだ」とマルティネス氏は述べた。
OnChain Studiosが2年をかけて開発しているChatGuardianは、まずCryptoysの「Zoo-F-O」コレクションに導入され、大きな目をした子猫、犬、パンダをテーマにしたNFTシリーズとなる。まずは現在のCryptoysユーザー向けに展開され、2回目のリリースでは子供向けの安全機能が追加される予定だ。
a16z、NFT大手などから約32億円調達
2022年6月に暗号資産VC大手アンドリーセン・ホロウィッツ(a16z)、NFT大手のダッパー・ラボ(Dapper Labs)、玩具大手マテル(Mattel)から2300万ドル(約32億円)を調達した後、CryptoysはAI開発に先立ち、製品とパートナーシップの構築に力を入れてきた。
11月にはマテルと提携し、同社の『マスターズ・オブ・ユニバース』シリーズにインスパイアされた製品をリリース。5月にはディズニーと提携し、『スター・ウォーズ』をテーマにしたNFTをリリースした。
|翻訳:CoinDesk JAPAN
|編集:増田隆幸
|画像:cryptoysのWebサイト(キャプチャ)
|原文:Digital Toy Company Cryptoys Integrating Kid-Friendly AI Chatbot Into NFTs