6月末に制定された「金融サービス・市場法」によって暗号資産プロモーションの監督権を得たイギリスの金融行動監視機構(FCA)によると、ソーシャルメディアのインフルエンサーは無報酬であっても、イギリスの金融広告規則の範囲に含まれ、適切な承認を得なければ法律違反となる可能性があるという。
インフルエンサーが、企業から報酬を得ていないが後に仕事を得ることを期待して、あるいは自分自身の投稿の閲覧数を増やすために、オンラインに投稿した場合、報酬を得ているインフルエンサーと同様にプロモーション規制の範囲に入ると、FCAは7月17日に金融業界のソーシャルメディア広告規制に関するコンサルテーションで述べている。
FCAは、インフルエンサーが権限のある人物の承認なしに金融プロモーションを発信する場合、「違法な金融プロモーションを発信している」可能性が高いと述べている。規則の適用範囲に入るインフルエンサーは、プロモーションが公正で誤解を招くものでないことを確認する必要があるという。
FCAが関与する以前から、ソーシャルメディア上の暗号資産プロモーションは監視下に置かれていた。昨年、イギリスのリアリティ番組「ラブ・アイランド」の元出演者であるジェシカ(Jessica)とイヴ(Eve)のゲイル(Gale)姉妹は、広告業界の自主規制機関である広告基準局(ASA)から、インスタグラム(Instagram)のフォロワーに暗号資産推進の投稿で誤解を与えることをやめるように命じられた。
FCAは6月に暗号資産分野のプロモーション規則を発表し、エアドロップのような金銭的インセンティブを利用した製品のプロモーションを禁止し、暗号資産企業は広告で明確なリスク警告を行う必要があると述べた。新しい金融プロモーション制度が10月に施行されると、登録された暗号資産企業はインフルエンサーに対して期間限定で自社の広告を承認することができるようになる。
|翻訳:CoinDesk JAPAN
|編集:井上俊彦
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|原文:Even Unpaid Social Media Crypto Promotions May Breach UK Ad Rules: Financial Regulator