中央集権型取引所の「1INCH」残高が6500万ドルに急増

調査会社のグラスノード(Glassnode)が追跡したデータによると、7月18日、中央集権的な取引所に結びついたウォレットに保有された暗号資産(仮想通貨)1INCHの数は1億8428万(約6500万ドル、約91億円)を超え、過去最高にまで上昇した。

いわゆる取引所残高は3日間で50%増加し、この数は流通供給量9億8760万個の18.65%、総供給量15億個の12.2%に相当する。1INCHは2020年12月にローンチされた分散型取引所(DEX)アグリゲーター、1インチドットエクスチェンジ(1inch.exchange)のネイティブトークンだ。

投資家は通常、コインを売却したり、デリバティブ取引の証拠金としてコインを投入したりする場合、コインを取引所に移動させる。したがって、取引所のウォレットに保有される残高の顕著な増加は、価格変動の前兆と広く考えられている。

中央集権型取引所に結びついたウォレットに保有されている1INCHの数が過去最高まで急増していることを示している。(Glassnode)

1INCHは18日に10%下落し36セントとなり、6月10日以来最大の下落を記録した。この暗号資産は記事執筆時点に35セントで取引されており、1週間で18%下落したことになる。この下落で、7月16日までの7日間に観測された30セントから60セント近くまでの価格急上昇の大部分を吐き出した。

Loch Researchの共同設立者兼CEOのPrithvir Jhaveri氏によると、クジラによる利益確定が価格下落の要因の一つだという。

「ポンプを開始したクジラは保有トークンを9100万トークンに減らした。これはポンプを開始する前に保有していたトークンよりも少ない」とJhaveri氏は18日にツイートした。「このクジラはセルシウス(Celsius)の売りに連動して高値で売った」。

7月17日、破産した暗号資産レンディングのセルシウスは、100万ドル以上のZRX、1INCH、テザー(Tether)のゴールドペッグステーブルコインXAUTを機関投資家向け暗号資産取引所FalconXに移し、ビットコイン(BTC)とイーサリアム(ETH)と引き換えに清算する可能性があった。

|翻訳:CoinDesk JAPAN
|編集:井上俊彦
|画像:Glassnode
|原文:1Inch Token Balance on Centralized Exchanges Surges to $65M