ビットコインとイーサリアム、過去好調だった7月に下落傾向
  • 今週のCMIランキングでは、ビットコインとイーサリアムのパフォーマンスはMKRとXLMを下回った。
  • 市場では25ベーシスポイントの利上げが広く予想されているが、来週はFRBの金利決定が注目される。

値動きは停滞

ビットコイン(BTC)は1カ月間にわたる停滞が継続しており、値動きの幅は4週連続で2%未満となった。方向性としては、前週0.3%上昇した後、今週は1.3%下落した。7月も残り10日となり、ビットコインは2023年で2度目となる月間下落になりそうだ。

イーサリアム(ETH)は先週3.24%上昇し、今週は1.63%下落。ビットコインと方向性は同じだが、値動きの幅はより広い。イーサリアムは今年まだ月間下落となった月はないが、年初来の月間上昇を維持するには今後10日間で1934ドル(約27万円)を超える必要がある。7月は歴史的にデジタル資産にとって好調な月だった。

ほかの暗号資産よりパフォーマンスが低い

時価総額10億ドル(約1400億円)以上の暗号資産(仮想通貨)で7日間のパフォーマンスを比較すると、ビットコインとイーサリアムはそれぞれ26位と29位だった。

週間トップはレンディングプラットフォームのメーカー(MKR)。直近7日間で30%以上、年初来では120%以上上昇している。エックス・アール・ピー(XRP)と密接な相関関係があるステラルーメン(XLM)も好調で、20%以上上昇した。XLMは年初来117%上昇している。

CoinDesk Market Indices(CMI)のセクター別の週間ランキングで見ても、XLMは通貨セクターで、MKRは分散型金融(DeFi)セクターでそれぞれトップとなった。

今週はCMIの通貨セクターとDeFiセクターの全体的なパフォーマンスが低く、DeFiは1.3%上昇、通貨セクターは0.5%下落で終わった。今週はコンピューティングセクターが最も好調で、6.4%上昇した。

コンピューティングセクターの主な構成要素は、オンチェーン環境とオフチェーン環境の間のブリッジとして機能するオラクルネットワークのチェーンリンク(LINK)。年初来45%上昇しているが、今週は20%だけで近く上昇した。

CMIの週間パフォーマンスが低かったのはスマートコントラクトプラットフォームセクター。プルーフ・オブ・ワーク(PoW)イーサリアムブロックチェーンのネイティブトークン「ETHW」とMultiversXのネイティブトークン「EGLD」のパフォーマンス不振が原因だ。

FRBの政策金利発表に注目

来週は、26日に予定されるFRB(米連邦準備制度理事会)の政策金利発表に注目が集まるだろう。

シカゴ・マーカンタイル取引所(CME)のFedWatchツールは現在、中銀が25ベーシスポイントの利上げを行う確率を99.8%としている。

金利発表後のFRBのパウエル議長のコメントも注目されるだろう。最近のマクロ経済指標を踏まえると、パウエル議長は、インフレ率は低下しているものの、依然として容認できないほど高水準にあり、FRBは金融引き締めの対策を新たにする必要があるという、先月からの発言を繰り返す可能性が高い。

|翻訳:CoinDeskJAPAN
|編集:林理南
|画像:Shutterstock
|原文:Bitcoin, Ether Headed Toward Losing Months in Usually Upbeat July