ビットコイン投資商品の資金流入トレンドが反転、イーサリアムとXRPは増加

大規模な資金流入が数週間続いていたビットコイン(BTC)の投資商品で先週、トレンドが反転し、1300万ドル(約18億2000万円、1ドル140円換算)の流出となった。イーサリアム(ETH)やエックス・アール・ピー(XRP)などのアルトコインのファンドが好まれるようになったためだ。暗号資産運用会社コインシェアーズ(CoinShares)が24日に報告した。

材料出尽くしでトレンド反転

デジタル資産のファンド全体では、過去4週間で7億4200 万ドル(約1038億8000万円)の流入が発生したものの、先週は650万ドル(約9億1000万円)の流出となった。

ビットコインはここ数週間で大きな買い材料がいくつか発生していたが、材料出尽くしとなったことがトレンド反転の理由のようだ。世界最大の資産運用会社、ブラックロック(BlackRock)が6月15日、長年切望されていたビットコインETF(上場投資信託)を申請し、競合他社も続けて申請を行った。このニュースを受けて、その後1カ月間、2021年10月以来の速いペースでビットコインを中心とした投資ファンドへの投資が行われた。

アルトコインへの信頼感は回復

今月初めにXRPが米証券取引委員会(SEC)との訴訟で一部勝訴したことで、ビットコイン価格は1年ぶりの高値を更新したが、価格はすぐに3万ドル(約420万円)を下回った。しかし、この判決によりアルトコインに対する投資家の信頼感が回復した。これは、先週までのプラスの資金の流れによって裏付けられている。

イーサリアム関連の投資商品には、すべての暗号資産の中で最大の資金流入があり、総額660万ドル(約9億2400万円)に達した。コインシェアーズの調査責任者ジェームズ・バターフィル(James Butterfill)氏は、この伸びはイーサリアムに関して「今年低迷していたセンチメントが好転し始めている」ことを示唆していると指摘した。

過去11週間でXRPのファンドには260万ドル(約3億6400万円)の資金流入があり、合計680万ドル(約9億5200万円)に達した。管理下にある全暗号資産の流入の8%に相当する。バターフィル氏はは、「これは、投資家がXRPの見通しにますます自信を持っていることを示している」と述べた。

ソラナ(SOL)、ユニスワップ(UNI)、ポリゴン(MATIC)などの小規模なアルトコインを保有するファンドでは、それぞれ110 万ドル(約1億5400万円)、70 万ドル(約9800万円)、70 万ドル(約9800万円)の流入が見られた。

|翻訳:CoinDeskJAPAN
|編集:林理南
|画像:Shutterstock
|原文:Crypto Investors Sour on Bitcoin Funds After Massive Inflows, Turn Instead to Ether and XRP