「持続可能なPlay to Earn」とは? ビットコインから着想を得たブロックチェーンゲーム「Brilliantcrypto」に込めた思いを聞く:コロプラ創業者・馬場氏独占インタビュー

7月25日に開催されたカンファレンス「WebX」に、コロプラの創業者であり、その傘下でブロックチェーンゲーム開発を手がけるBrilliantcrypto代表取締役社長でもある馬場功淳氏が登壇。「持続可能なPlay to Earn」を掲げる同社にとって、第一弾のブロックチェーンゲームとなる「Brilliantcrypto」を発表した。宝石をマイニングし、宝石はNFTとして取引も可能、さらに報酬としてトークンも手に入るという。トークンはコインチェックでのIEOが予定され、ゲーム同様グローバルな展開を目指す。

「位置ゲー」という新しいジャンルを生み出した馬場氏が、ブロックチェーンゲームに込めた思いとは、どんなゲームを目指したのか、コインチェック副社長執行役員 暗号資産事業本部長の井坂友之氏、Polygon Labs 日本部門責任者のヨリコ・ビール(Yoriko Beal)氏にも同席していただき話を聞いた。

今のプレイ・トゥ・アーンは持続可能性に課題がある

──御社は「持続可能なPlay to Earn」の実現を掲げておられます。昨年末のあるインタビューでは「プレイ・トゥ・アーンは理論的に破綻している」「面白くてお金が稼げるゲームは存在しない」とおっしゃっています。今回、一体どんなゲームを目指されたのでしょうか?

馬場:ゲームの意義は、自分が楽しむことだと思っています。例えば、代表的なプレイ・トゥ・アーン・ゲームの「STEPN」「Axie Infinity」などを自分で楽しんでプレイすることは良いことです。でも、プレイすることが他人の価値にはつながっていません。それなのに報酬として何かが支払われるというのはおかしいと思っています。

そのおかしな部分を何とかしようとして、例えば「トークン・エコノミー」という言葉が使われている面がありますが、それも根本的な問題解決にはなっていないと思います。トークンの価値をできるだけ長引かせようとか、相場が下落することを少しでも防ごうとしているだけではないでしょうか。

また、ゲームは面白いことが当たり前なので、我々は常に面白いものを目指していますが、すごく面白いうえに、プレイすることで報酬になるという世界はありえないとも思っています。例えば、テーマパークやアミューズメント施設はすごく楽しい場所ですが、無料で遊べて、しかも遊んだら1日1万円もらえますみたいなことは成立するでしょうか? そういう観点で言うと、大変僭越ですが、Axieはすごく先進的で面白いかと言われるとそうとは言えません。ですがプレイ・トゥ・アーンとしてヒットしました。そこにポイントがあるのではないかと考えました。

つまり我々が普段ゲームを作っている感覚でプレイ・トゥ・アーン・ゲーム、ブロックチェーン・ゲームを作ると多分ダメだろうという理解が最初にありました。でも、ゲームは面白くないとプレイしてもらえません。そのバランスをどう取ればよいか、どういうモチーフにするかなどをいろいろ考え、ひとつの解が見つかったので、今回それを作りました。それが、WebXで発表したデジタル上に宝石を作るというゲームです。

ビットコインをヒントにしたプルーフ・オブ・ゲーミング

──今回のゲームは、ビットコインの考え方、要素を取り入れたそうですが、具体的にはどういうことでしょうか。

WebXでのプレゼンテーション

馬場:ビットコインは今、デジタル上の金(ゴールド)として使われてます。かつては通貨を目指していましたが、通貨としてはちょっと使いにくい。でも確かに価値はあるということになって、ゴールドのように扱われている。つまり、人類はデジタル・ゴールドを作ることには成功しているわけです。そして、我々が今作ろうとしているものがデジタルの宝石です。

ビットコインは、管理者が存在しない台帳があり、マイニングという行為、具体的にはハッシュ計算によって所有と移転を証明しています。マイニングという行為は、他人の価値を作っているわけです。だから、マイニングという行為に対して報酬が支払われています。

もしマイニングをゲームにすることができたら、持続可能なプレイ・トゥ・アーン・ゲームになるのではないかというのも発想のひとつになりました。ビットコインのコンセンサスメカニズム「プルーフ・オブ・ワーク(PoW)」ではなくて「プルーフ・オブ・ゲーミング」というコンセプトを考えました。マイニングによって宝石が生み出される、宝石が流通することで他人の価値を作り出すから、プレイ・トゥ・アーンの原資が生み出されることになるという構造です。

──説明を聞くと、まさに「なるほど」と思ったのですが、同時にどうして誰も今まで気づかなかったのかとも感じました。

馬場:僕もこれを思いついたのは1年ぐらい前です。ハタと気づいて、これはまだ誰も気づいていないと思い、そこからは情報を遮断しました。途中まではすごくクローズドな社内プロジェクトでした。エンジニアにも、全体像は伝えずに作ってもらったりしました。企画の説明をしたのは本当に数カ月前。今はクローズドαテストを行い、世界中のゲームギルドやブロックチェーン関係者には企画を説明して、今回発表したβテストと同じ内容のモックをプレイしてもらいました。一般には今回のWebXの発表が初になります。

面白すぎないことの大切さ

──テストの反響はいかがでしたか。

馬場:非常に良かったです。我々はゲームを作っていますから、いろいろなテストやフィードバックを受けていますが、あまり見たことがないくらい良かった。通常は厳しい、辛辣な意見も出てくるのですが、全世界的に良い評価をもらいました。

井坂:私もテストに参加しましたが、ハマりました。9時間ぐらい家でひたすら宝石を掘り、子どもに「パパ、何やってるの?」と言われながら掘っていました。つい、ずっとやってしまう感じです。ゲームとしては宝石を掘っているのですが、掘るという行為そのものがハッシュ計算をしているわけですよね?

コインチェックの井坂友之氏

馬場:ブロックチェーンのデータ列から宝石を見つけ出しています。宝石が見つかるかどうかは誰にも予測できません。開発者である我々も見つけられません。また万一、不正があったとしても、誰が見ても「偽物だ」と分かる仕組みを取り入れています。非常に公平なプロダクトになっています。

ただ、「ものすごく面白いゲームか?」と言われると、実はそうでもない。掘るだけです。ですが、ただ掘るだけでも、なぜかやり続けてしまう、なにかドキドキする、くらいにはなっていると思います。そのあたりが、プレイ・トゥ・アーン・ゲームが目指すべきところではないかと考えています。

開発途中の段階では、敵を出してみようとか、ゲームの味付けをいろいろ考えて、試したのですが、やっぱり違う。掘ることにフォーカスしながら、面白すぎないけど面白い。そして何時間もプレイできるという形にしたかった。長い時間をかけて掘ることで宝石が希少なものであることを分かってもらえると考えました。

──面白すぎると自分が楽しむことになってしまって、プレイ・トゥ・アーンではなくなるという考え方ですね。

馬場:面白くてお金がもらえると、全世界のユーザーが来てしまいます。そうなると、宝石が一瞬で掘り尽くされてしまい、エコノミクスが成立しなくなってしまう。普通のゲームなら、ユーザーを世界中から集めて、ゲームを盛り上げるのですが、今回は少し違っていて、あまり増え過ぎても困ると思っています。

具体的には、我々が初期に想定しているマイナーの数は、いまのところ3万人です。3万人が掘ってくれたら、このプロジェクトは成功するという方程式を描きました。面白くて、お金が儲かるようなゲームを作ってしまうと、世界が壊れてしまいます。面白すぎず、でもやる人にとってはついついやってしまう。ゲーム開発のイメージとしては「プチプチ」です。

井坂:確かにプチプチ感はあります。細かい部分ですけど、掘ってる時の音がとてもいい。マイニングを楽しくやって夢中になってしまう。それに、適度なゲーム要素もあります。掘るだけでなく、調べたり、探ったりもします。確かに、敵を出すとダメな感じです。

馬場:うざかったんです。気持ちよく掘っているのに横から蛾みたいなのが出てくるとか、掘っていたら芋虫が出てくるとか。面白いけど、ちょっと違うなと。

井坂:結構リアルに寄せてありますよね。掘っていて、宝石が見えてきたら、つるはしの小さい方でカツカツやるみたいな。

馬場:採掘のYoutubeを見まくって、研究しました。世界中を見ても、掘るだけのゲームはありません。それだけではゲームが成り立たないからです。参考にすべきプロジェクトがなかったので、Youtubeを見て宝石が見つかった時の感じなどを工夫しました。

「自由で平等、だから美しい」

WebXでのプレゼンテーション

──掘り尽くされると世界が壊れてしまうみたいなところは、発行上限が定められているビットコインと似ています。

馬場:世界に溢れすぎると価値はなくなります。宝石は、希少でキレイだから、太古の昔から価値があります。ちなみに宝石については、すごく詳しくなりました。人間の歴史はほぼ宝石で作られたのではないかという仮説を持っているくらいです。今も宝石は、いろいろな使われ方をしていて、知れば知るほど非常にビットコイン的、ブロックチェーン的で、さらにNFT的です。ブロックチェーンやNFTは、デジタル上に宝石を生み出すために作られたのではないかなと思ってしまうほどです。

──確かにスパイ映画には、取引にダイヤを使うようなシーンが出てきます。

馬場:宝石は、価値を保存するものであり、持ち出しも簡単。一方、ゴールドは重くて持ち出せません。もともと宝石が通貨の役割を果たしていました。ですが、宝石は数が少ないし、一点もので分けることができません。そこが不便なので、ゴールドに変わっていった歴史があります。そんなこともゲームを作りながら勉強しました。宝石については、一日中でも話せます。

一方で、宝石の歴史には負の側面があることも学びました。そこは再現してはいけないと考え、我々のこのプロジェクトは「自由で平等、だから美しい」というキーワードを掲げています。英語にすると、3つのF、「Free、Fair、Fascinating」です。我々は鉱山を用意します。参加するには「つるはし」を買う必要がありますが、そのお金さえ用意していただければ、鉱山から掘り出した宝石は全部掘り出した人のものになります。そのまま保管してもいいし、売ってもいいし、鑑賞して楽しんでもいい。さらに掘るという作業に対して、トークンも与えられます。参加者から見ると、良いことだらけのゲームです。デジタル上の宝石を新たに作りだすことで、宝石の新しい歴史を作っていけるのではないか。そんな風にも思っています。

ビットコインはマイニングがすでにプロの領域になってしまいました。個人で楽しむことができなくなっています。しかも地球温暖化の一因とも言われています。我々のゲームは、みんなで楽しくマイニングしようという考え方が根底にあります。

日本が一番やりやすい

──マイニングした宝石は、自分で鑑賞したり楽しむほかに、売買もできるのですか。

馬場:NFTとして取引できます。ゲーム内にもマーケットを用意しますが、外に持ち出して、OpenSeaなどで売却することもできます。

実際の宝石より、NFTの方が優れている点があります。普通の宝石の取引で一番困ることは、本物かどうかの見極めです。ですが、NFTはクリックしただけで本物かどうかわかる。保管も簡単だし、取引ができ、マーケットもあります。その点は、本物の宝石よりも優れています。

井坂:さらにトークンもあり、IEOで取引が可能になります。流動性の提供をサポートすることが我々の重要な役目だと思っています。

馬場:トークンの提供については、法律の問題があり、トークンが上場できた国から順次、その機能がオープンしていきます。日本は各国の中で一番早く対応する予定です。我々は上場会社の100%子会社なので、法令遵守は必須です。なので法令遵守が確認できた国や地域から、トークン機能が解放されていくイメージです。法令遵守が確認できないところは、トークンが上場した際にトークンに替えられる権利のようなものを出すことを想定しています。宝石はそのまま提供できます。最終的には全世界に向けて配信したいと思っていますが、リリース時は日本を含め、その段階で法令遵守が確認できた国のみになる予定です。

簡単にいうと、ユーザーの状態が2つに分かれます。トークンが上場している国としていない国です。上場している国は機能がフルに使えます。トークンが上場していない国は、宝石は手に入りますが、トークンではなく、将来トークンに替えられるものを提供します。今は、そのどちらの状態にも対応できるゲーム仕様を詰めているところです。

──ブロックチェーンゲームで使われるトークンが、IEOで上場されて、取引可能になる。これまで、日本は規制が厳しくてブロックチェーンゲームは難しいと言われていましたが、状況が違ってきますね。

馬場:実は今は日本が一番やりやすい。ルールが明確で、「これを守ればOK」ということがわかっています。当然、ルールを守るためには労力が必要になりますが、労力はかければ済む話です。他の国ではそうもいかない面があります。ルールを確認しても「わからない」と言われてしまいます。それだと進めようがありません。

Polygonを選んだ理由

──今回、ブロックチェーンとしては、Polygon(ポリゴン)を使用される予定と聞いています。Polygonを選択された背景や理由はどのようなものでしょうか。

馬場:やはり世界中で最も使われているブロックチェーンのひとつであり、素晴らしい実績があることです。さまざまなプロダクトに使われています。チェーンの選択は、非常に悩ましい問題でしたが、現状ではPolygonさんと一緒に進めていきたいと考えています。

ビール:3、4カ月ほど前に海外にいるゲームチームのメンバーと一緒に初めてモックを拝見させてもらったのですが、非常に力を入れていらっしゃるプロジェクトであることが伝わってきました。

Polygon Labsのヨリコ・ビール氏

Polygon PoSチェーンは、オープンなパブリック・ブロックチェーンです。つまり、特に私たちに話をしていただかずに、自由に使っていただいても大丈夫ですし、特に私たちにお金を払っていただく必要もありません。ロゴもWebサイトに置いてあるので、ブランドガイドに抵触しなければ自由に使っていただけます。

自由に使っていただけることに加えて、先程おっしゃっていただいたような安心感は、ひとつはPolygonはゲーム・エンターテインメント分野でかなり早くからいろいろなプロジェクトとコラボレーションしてきたことと、ゲーム・プロジェクトに選んでいただけるようなテクノロジーを作ってきたところにあると思います。

──ゲームのローンチと歩調を合わせて、コインチェックでのIEOを計画されています。IEOでトークンが投機的に上昇してしまうと、今まで聞いてきたような話を損なってしまうような事態につながるのではないでしょうか。

馬場:提供者側からすれば、落ち着いた動きをしてもらえるとうれしいというのはあります。ただ、トークン価格の変動はどうしても出てくるのではないかと思います。

井坂:(トークンの価格変動を狙う暗号資産投資家も)一定数は入ってきてしまうと思いますが、それが落ち着いた時に本質的な価値で安定していくのかどうか。宝石が欲しい、掘りたいという人とのバランスがうまく取れて、コンテンツとしてしっかり回っていけば長期的に安定するのではないでしょうか。

宝石を掘ることが夢だった

掘る動作をする馬場氏と井坂氏

──お話を聞けば聞くほど、どうして今まで、誰も思いつかなかったのかが不思議ですね。

馬場:ゲームのモチーフでダイヤモンドはよく使われます。なので「これが本物だったらいいのになぁ」とかよく考えることがあります。今回の取り組みは「ゲームのアイテム」という考え方から発展した気がします。あと、宝石を掘ることが実は夢でした。

掘ることが好きで、掘れるゲームがあるとずっと掘ってます。リアルでも宝石を掘りたくて、何度も調べたこともあります。

井坂:コンテンツ・クリエイターのアプローチが暗号資産業界に入ってきた結果として登場するのが今回のゲームだと思います。今までのブロックチェーン・ゲームでは「トークン・エコノミクスをどうするか」というような議論が多かったのですが、今回はコンテンツの根底にある思想とか、考え方がそもそも違うと思います。大変興味深く感じています。

馬場:デジタル上の貴重な宝石という存在を認識してもらったうえで、今後登場してくるメタバースなどにも取り込めるような展開にしていこうと考えています。宝石は身に着けて使えるものです。それをメタバースでも実現していきたいと思っています。そのためには当然、ある一定のユーザー数も必要ですし、何より世界中で信じられていることが重要です。それを成し遂げたうえで、今後出てくるメタバースと協力しながら提供していきたいと考えています。

──そのメタバースは、今すでに存在するところと協業するイメージですか?自社開発もありえるのでしょうか?

馬場:いろいろあると思います。我々が将来作ってもいい。Web3、メタバース、AI……、そうしたものがお互いを補完しながら、仮想空間に絶対、人間は進出していくと思います。少し前までは「たぶん、そうなるだろう」と思っていたのですが、AIの登場によって加速することは間違いありません。その時に身に着けられる、持っていける宝石は絶対必要だと思います。我々も機会があれば作りたい。

ゲームとは全然別の話ですが、今のメタバースには仕事がありません。仮想空間に入り浸りたい人は世の中にたくさんいるけれど、それだと生活ができない、だから入り浸れない。だから、メタバースには仕事が必要だと思います。我々がやろうとしていることは、まさしく採掘場という仕事場を作ることです。

このゲームをベースにしたら、メタバースもできるのではないかという思いもあります。例えば鉱山を見つける過程を冒険にしたり、移動するためには車が必要だから、車の部品作ったりとか、ゲーム的な発想は広がります。そこを今夢見ています。まだなにも決まっていませんが、楽しいです。

井坂:形にできることがすごいと思います。考えるとかトークするのはできても、ゲームデザインに落とし込むことはまったく違います。しかも動くものにしなければならない。実は僕も以前はゲーム会社の代表をしていました。

馬場:元同僚ですからね(笑)。

井坂:(笑)なので、ゲーム会社と組むのなら、コロプラさんで、馬場さんがゲームを作ってくれないかなと思っていました。そうしたら、たまたま今年の春頃に話をいただき、しかも馬場さん自らゲームデザインを新しく作っていると聞き、今回の取り組みを決めました。業界の発展のために必要な要素だと思っています。Axieが来て、STEPNが来て、ブロックチェーン・ゲームの普及に徐々に近づいているのですが、たぶんもう一段階、発明が必要です。その発明を作れるチーム、作れる人たちにやってもらい、我々が支援することが大事だと思っています。

上場企業が「Play to Earn」ゲームを手がける意味

井坂氏、馬場氏、ビール氏

馬場:もう1つ、我々が今回、新しいゲームを実現できたことは、国の支援とまでは言わないですが、国がWeb3を成長戦略に定め、後押ししたことが大きかった。上場会社として取り組めるようになりました。タイミングが良かった。今まではできませんでした。

井坂:日本にとっても上場企業が、IEOを行うことはすごく重要な一歩になりそうな気がしますし、さまざまなエンタメ企業が事例として間違いなく注目しています。ゲームの事例としてもそうですし、会計や監査、コーポレートガバナンスの視点でも総合的に注目されると思います。

ビール:あまり他と被らないタイプのゲームだと思います。PolygonはWeb2企業もWeb3ネイティブ企業も、両方ともサポートしています。Web2のゲーム企業はユーザーが夢中になるものを作るプロなので、そういう企業がWeb3に参入することは歓迎すべきことだと考えていて、エコシステムをより豊かなものにできると期待しています。また、たとえユーザーがNFTには興味がなくても、「宝石をゲームの外に持ち出せる」と思ってもらえるだけで良くて、そのようなユーザー体験からマス・アダプションにつながれば良いと思っています。

馬場:我々のような上場会社グループがようやくWeb3事業を行う環境が整いつつあるタイミングだと思います。去年はできなかった。偶然ですが、タイミングが良かった。

WebXでのプレゼンテーション

偶然と言えば今回、パリ・サン=ジェルマン(PSG)との提携を発表しました。もともと当社のメンバーがコネクションがあり、昔から広報戦略としてどうですか、と言われていました。ですが、グローバルに展開できるゲームは簡単に作れるものではなく、なかなか実現しませんでした。今回のゲームはグローバルに展開していきたいと考えております。グローバルでの知名度を補うために、PSGと契約しました。

今回のゲームの発表、そしてPSGとの提携がどんな反響を生むのか、楽しみにしています。

|インタビュー・文:増田隆幸
|写真:小此木愛里、増田隆幸