7月のビットコイン対円週足チャート
- ビットコインの週足(413万円)は現在、移動平均線(8EMA)の上位で推移しています。7月は1、2週目の週足がマイナスとなり、3週目で反発したものの今週の週足が3.2%のマイナスを記録しており、月次のマイナスが濃厚な状況となっています。2023年は年初から底堅い動きとなり、これまで93%の上昇を記録していますが、足元で値動きの弱さが鮮明になっています。約2カ月間の移動平均線となる8EMAを下回り、週足が410万円を割ってくると、トレンドの転換も視野に入ってきます。
- 週足のMACDは、今の所MACD線が遅行線のシグナル線を上回っていますが、足元でMACD線が下降傾向にありデッドクロスの可能性が高まっています。このまま上値が重い相場が続くと長期のテクニカルも弱気に傾くことになります。
ビットコイン対ドル4時間足チャート
- ビットコインの対ドルはここ1カ月間ほど3万ドル近辺でレンジ推移(3万1400ドル〜2万9700ドル)をしていましたが、今週このレンジを下抜けしました。長い期間のレンジを下に抜けたことで弱気トレンドの発生確率が上がっています。最近ではドル円のボラティリティが高い傾向があり、対円のビットコインチャートに影響を及ぼす場面が増えているため、対ドルのチャートも見ておく必要性があります。
ドル円と米10年債券金利の日足チャート
- 上記の部分でも述べましたが、ここ最近はドル円の動向がビットコインの対円チャートに影響を及ぼす場面が増えているため、現在のドル円チャートも見ていきましょう。現在のドル円は139.8円で取引されています。今週は2円近く円高になっているため、対円のビットコイン価格が下落する一因となっていました。昨日はFRBの政策金利発表が行われ、0.25%の利上げとなりましたが、利上げ局面の終盤に入っていることが確認され、米10年金利が下落し、ドル円も下落しました。今年はあと1度の利上げが予定されていますが、今後、利上げ局面のピークが確認されれば、ドル安圧力がかかりビットコインの対円チャートも下落しやすくなるでしょう。
デリバティブ市場データ
- 上記は、現在のデリバティブ市場の無期限先物取引の資金調達率(FR)と3カ月先の先物価格と現物価格の乖離を表したチャートになります。最初のチャートから現在のFR(緑)は0.002%程度で推移していることがわかります。大きなプラスとはなっていませんが、ロングポジションの比率が高いことを示唆しています。2つ目の3カ月先の先物価格乖離率(紫)は現在、5%程度を記録しています。こちらでは投機筋の買い手にやや過熱感があることが示されています。デリバティブ市場では全体的に投機的な買いポジションに偏っていることが示されており、今後も上値の重しになる可能性があるでしょう。
|編集:CoinDesk JAPAN編集部
|画像:bitbank