暗号資産(仮想通貨)取引所バイナンス(Binance)の日本法人Binance Japanは8月1日、国内居住者向け専用の新しい取引プラットフォームを開設、新規利用申し込みの受付を開始したと発表した。リリースによると、国内最多規模となる34種類の暗号資産を取り扱い、以前はバイナンスコインと呼ばれていたBNB(Build and Build)については、国内初の取り扱いとなるという。
バイナンスは5月下旬、日本国内の法令遵守のもと、この夏をめどに国内居住者向け専用の取引プラットフォームを設立すると発表していた。
バイナンスは2022年11月、サクラエクスチェンジビットコイン(SEBC)を買収して日本市場に参入。いよいよ本格的な日本市場参入となった。なお今回、新しいプラットフォームの稼働に合わせて社名を株式会社サクラエクスチェンジビットコインからBinance Japan株式会社へ変更した。
Binance Japan代表の千野剛司氏は、その際、CoinDesk JAPANでのインタビューに「エコシステム全般で捉えた場合、日本市場には非常に追い風が吹いている。見方次第では暗号資産の交換市場は冬かもしれないが、今の日本は、政府や規制当局も含めて、Web3やブロックチェーンの経済圏を1つの柱としていく流れが生まれている」と日本市場への期待を語っていた。
また、「特に日本で期待しているものはステーブルコイン」とし、「ステーブルコインは、リアルエコノミーとブロックチェーンエコノミー、バイナンスエコシステムの接着剤のような役割を果たすと考えている。ステーブルコインが存在するのと、しないのとでは、未来の姿がまったく違ってくる」と述べていた。
今回の発表によると、提供されるサービスは暗号資産の現物取引、貸暗号資産、NFTマーケットプレイスで、将来的にはデリバティブ取引サービスの提供も準備が進められている。その先、バイナンスエコシステムの拡大を目指して、ステーブルコインをはじめ、どのようなサービスを展開していくのか、その動向が注目される。
|文:増田隆幸
|写真:バイナンスのチャンポン・ジャオCEO(CoinDesk)
※編集部注:タイトル、本文を修正して更新しました。