トロン創設者のジャスティン・サン氏、カーブ・ファイナンスの危機的状況を救済

トロン(Tron)創設者兼CEOのジャスティン・サン(Justin Sun)氏が、分散型取引所(DEX)カーブ・ファイナンス(Curve Finance)の創始者であるマイケル・エゴロフ(Michael Egorov)氏に関連する巨額の融資を清算から守る可能性のある動きを行い、カーブダオトークン(CRV)のサポートに乗り出した。

8月1日のブロックチェーンデータによると、サン氏は店頭取引で「Curve.fi Founder」とタグ付けされたウォレットから約500万CRVを平均価格0.4ドルで購入した。これは230万ドル(約3億2800万円)強に相当する。サン氏は8月1日の時点での取引価格である0.59ドルを大きく下回る金額で購入したが、エゴロフ氏の借り入れが清算される可能性のある価格水準の0.37ドルよりは高い。

サン氏は1日、「カーブを支援できることに興奮している!」とSNSに投稿した。「我々は堅実なパートナーとして、今後も必要なときにいつでもサポートを提供する」。

「我々の取り組みにより、カーブに@stusdtプールを導入し、ユーザーの利益を増幅させる。我々は力を合わせてコミュニティに力を与え、分散型金融を構築することを目指す」とサン氏は述べた。stUSDTは 「トロンネットワーク上の最初の現実世界の資産プロトコル」と説明されている。

ステーブルコイン取引所大手のカーブは、7月30日にCRVの価格を下落させるエクスプロイトに見舞われ、1億6800万ドル(約240億円)のエゴロフ氏の隠し財産が清算の危機にさらされた。このため、トレーダーの間では、すでに価格が下落している市場に清算された資産を売却しなければならないという懸念とともに、このトークンに対する弱気なセンチメントが生まれた。

CRVはエコシステム全体の取引プールで取引ペアやバラストとして使用されているため、このような大規模なポジションの清算は他のDeFiプロトコルに圧力をかける可能性がある。

しかし、サン氏のような裕福な人々は、コミュニティから称賛を受けるために、あるいは自分たちが保有する巨額のトークンが打撃を受けないようにするために歩み寄ろうとしている。

|翻訳:CoinDesk JAPAN
|編集:井上俊彦
|画像:ジャスティン・サン氏(CoinDesk)
|原文:Tron Founder Justin Sun Alleviates Curve Finance’s Looming Bad Debt Situation