イーロン・マスク氏のX、取引サービス構築のパートナーを探す:Semafor
  • イーロン・マスク氏のXは、アプリ上に取引サービスを構築する金融データ大手を探していると報じられた。
  • マスク氏はX上で、「私の知る限り、これに関しては何も作業が行われていない」と述べた。

多機能アプリになることが計画されているイーロン・マスク氏のX(旧Twitter)は、アプリ内に取引サービスを構築する金融データ大手を探している。ニュースメディアのSemaforが、これに関する文書や事情に詳しい関係者の話を引用して報じた。

複数の企業に要請を送付

Semaforによれば、Xはここ数週間で金融データプロバイダーに対し、財務内容やリアルタイムの株式データなどに関する提案を求める要請を送付したことが文書で示されているが、先週末の期限までに提案を提出した企業があるかどうかは不明だという。

データプロバイダーへの要請書では、Xがパートナーに対して「数億人の高度な資格を持つユーザー」へのリーチを提供するが、補償はしないとされている。企業にはプロジェクトに投資する金額を提示するよう求めているという。

しかし、マスク氏はXで、「私の知る限り、これに関しては何も作業が行われていない」と述べた。これは直接的な否定ではないが、そのようなサービスが開発中であるものの、差し迫ったものではない可能性があることを示唆しているのかもしれない。

X内の取引サービス計画は以前もあった

X内に取引サービスを構築する可能性が浮上したのはこれが初めてではない。ソーシャル投資プラットフォームのeToroは今年、当時はTwitterと呼ばれていたXとの協定を通じて、Xのユーザーに暗号資産などの資産の取引サービスを直接提供する予定であると発表した。

アプリ内取引サービスの構築計画が実現すれば、マスク氏のデジタル資産、特にミームコインであるドージコイン(DOGE)に対する親和性を考慮すると、他の資産に先だって暗号資産、特に規制の観点から安全な資産となり得るビットコイン(BTC)の取引が容易に可能になる可能性がある。

コインベースのブライアン・アームストロング(Brian Armstrong)CEOは今週初め、米証券取引委員会(SEC)から、ビットコインを除くすべての暗号資産の取引を停止するよう指示されたと公表し、規制当局がビットコインについては問題視しないことを示唆した。

マスク氏は以前、当初は法定通貨のみでX上での支払いを可能にする計画を発表していた。それでも、マスク氏は後から暗号資産を追加する選択肢を除外していたわけではない。

マスク氏は、中国のWeChatのような、決済やゲームなどより多様なサービスを可能にするオールインワンのアプリを作成する計画の一環として、7月にTwitterをXに改称した。暗号資産の専門家はこの変更に前向きに反応し、このブランド変更はエコシステムにとって「ゲームチェンジャー」になる可能性があると述べた。

|翻訳・編集:林理南
|画像:Steve Jurvetson/Wikimedia Commons
|原文:Elon Musk’s X Seeks Data Partner to Build Trading Service on App: Semafor