店頭取引に関連するアドレスのビットコイン保有量が33%減少
  • 店頭取引窓口に結びついたアドレスで保有されるビットコインは、6月15日以来の低水準まで減少した。
  • この指標は機関投資家の活動の代理と考えられているが、ラベル付けなどの誤りが発生しやすく、さまざまな解釈の対象になる。

機関投資家の活動の代理人である店頭取引(OTC)デスクに関連するアドレスに保有されているビットコインの量は、6月15日以来の最低水準まで減少した。

8月3日現在、いわゆるOTCデスク残高は5138BTCで、ビットコイン(BTC)の記事執筆時点の市場価格2万9225ドルで約1億5000万ドル(約214億1300万円)となっている。グラスノード(Glassnode)が追跡したデータによれば、これは6月末の7697BTCという1年ぶりの最高残高から33%の下落だ。

ビットコインのOTCデスク保有量と価格。(Glassnode)

上半期にビットコインの市場価値が84%上昇したため、保有残高は156%急増した。当時、一部の観測筋はこの増加を強気の展開と呼んでいた。アーク・インベストメント・マネジメント(Ark Investment Management)の6月のレポートによると「OTCデスクでの残高の増加は、機関投資家やその他の大規模な資本を持つものがビットコインにますます注目していることを示唆している」という。

暗号資産(仮想通貨)投資家は、伝統的な金融市場と同様に、取引所または店頭デスクで取引を行うことができる。取引所は取引当事者間の仲介役として注文のマッチングを行う。OTCデスクでは、取引は2者間で直接行われ、そのうちの1つは、通常デスクそのものだ。

取引量の多いトレーダーや機関投資家は通常、資産の市場価格への影響を避けるためにOTCデスクと取引する。そのため、OTCデスクでの取引は、大規模で洗練されたトレーダーの行動を反映していると言われている。過去には、OTCデスクの残高の上昇や下降を、マイナーがコインを貯めこむ、あるいは使い切る意図と関連付けるアナリストもいた。

とはいえ、デスク残高の変化から明確な結論を導き出すことは、アドレスラベリングの問題にさらされるため、リスクが高いかもしれない。その上、残高そのものは、デスクが顧客に代わってコインを蓄積しているのか、それとも清算しようとしているのかを教えてくれない。

「OTCデスクによるBTCの蓄積は、彼らが顧客の代わりに買っていることを意味する可能性もあるし、顧客がBTCを売るためにOTCデスクに渡していることを意味する可能性もある」と、人気のニュースレター「Crypto Is Macro Now」の著者で、米CoinDeskとGenesisの元リサーチ責任者であるノエル・アチェソン(Noelle Acheson)氏は米CoinDeskに語っている。

|翻訳:CoinDesk JAPAN
|編集:井上俊彦
|画像:Glassnode
|原文:Bitcoin Holdings on OTC Desks Decline 33%: Glassnode