米暗号資産取引大手のコインベース(Coinbase)は、独自ブロックチェーンである「Base」が公開されたと発表した。上場企業が独自の分散型ネットワークを運営する新時代の始まりとなる。
Baseは開発者がテストを行えるようにすでに公開されていたが、コインベース関係者は9日の東部時間午後12時に一般公開されると述べていた。
コインベースの幹部らによれば、同社は独自のブロックチェーン運営による手数料を獲得できるほか、ブロックチェーン上に構築されたアプリケーションはさらに収益性の高い収入源になる可能性があるという。
100個のdappsが導入予定
コインベースのブライアン・アームストロング(Brian Armstrong)CEOは2016年の「極秘マスタープラン」で、同社の発展の第4段階は10億人にリーチするように設計された「分散型アプリケーション(dapps)」によってもたらされると述べた。同社は2021年4月にナスダックに株式を直接上場した。
コインベースのプロトコル責任者としてBaseを監督しているジェシー・ポラック(Jesse Pollak)氏は8日のインタビューで、すでに100個の分散型アプリケーションがBaseに導入されているか、導入する準備ができていると述べた。
ポラック氏は、「歴史的に、人々が暗号資産を使ってできることの範囲は比較的限られており、ほとんどが投機であった」と指摘。「コインベースと暗号資産、そして我々が行っているこの取り組みによって、我々全員が望む影響を与えるためには、これが投機となっている場所から、誰かの日常生活のあらゆる部分に統合される場所に移る必要がある」と述べた。
コインベースはBaseの立ち上げに関連して、新しいプロジェクトの能力を宣伝するために、コカ・コーラなどの企業パートナーとのプロモーション「オンチェーン・サマー」の計画を発表した。
Baseのレイヤー2ランキングは第5位
Baseネットワークは、技術的にはイーサリアムブロックチェーン上に構築されたレイヤー2のブロックチェーンであり、別の人気レイヤー2ネットワークであるオプティミズム(Optimism)の「OP Stack」ソフトウェアを使用している。
暗号資産分析会社L2Beatによると、一般公開前からすでに1億3900万ドル(約194億6000万円、1ドル140円換算)の資金がBaseネットワーク上のアプリケーションやプロトコルにロックされていたという。
ブロックチェーンやプロトコルを評価するための一般的な指標である預かり資産(Total Value Locked:TVL)の量で見ると、Baseは5番目に大きいレイヤー2ブロックチェーンとなっている。第1位はアービトラム・ワン(Arbitrum One)の約60億ドル(約8400億円)で、第2位はOPメインネット(OP Mainnet)の29億ドル(約4060億円)、第3位はzkSync Eraの4億3000万ドル(約602億円)、第4位はdYdXの3億3600万ドル(約470億4000万円)。
|翻訳・編集:林理南
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|原文:Coinbase Officially Launches Base Blockchain in Milestone for a Public Company