フランス当局、暗号資産企業へのMiCA適用に近づく──登録要件を強化

フランスは、欧州連合(EU)による暗号資産分野の新規制に対応するため、暗号資産企業の登録要件を改正したと、同国の金融規制当局であるフランス金融市場庁(AMF)が8月10日に発表した

EU各国は、暗号資産と単一市場への参入を目指す企業に対する最近制定された暗号資産市場規制法(MiCA)の適用準備を進めており、今後12カ月から18カ月で発効される予定だ。フランスはMiCAに準拠するために一部の変更を保留しているものの、すでに包括的なライセンス制度を導入しており、企業に対しフランスでの登録を呼びかけている。

AMFによると「強化された」登録要件は2024年1月1日から施行され、規制されたサービスを提供しようとする「新規プレーヤー」は準拠が必須になる。また、この変更により、すでに承認を得てフランスで事業を展開している企業に対して、承認に向けた 「迅速な手続きの実施」 が可能になるという。

「注意点として、2024年1月1日以前に簡易登録を取得した暗号資産企業は、祖父条項(既得権条項)の恩恵を受け、この日以前に適用された枠組みに引き続き従うことになる」と規制当局は述べている。

暗号資産企業に関するAMF一般規則の修正条項は「セキュリティと内部統制システム、利益相反を管理するシステム、明確で正確かつ誤解を招かない情報、公開価格設定方針、特定のカストディ規定(顧客資産と自己資産の分別管理)」をカバーしており、顧客資産の明示的な事前同意なしでの使用を禁止している。

AMFは最近、ソシエテ・ジェネラル(Societe Generale)の暗号資産部門に初のライセンスを与えた。バイナンス(Binance)やヘックス・トラスト(Hex Trust)のような企業は規制当局に登録されている。

|翻訳:CoinDesk JAPAN
|編集:井上俊彦
|画像:Jack Schickler/CoinDesk
|原文:France Steps Closer to Implementing MiCA for Crypto Firms