ミームコインBALDの開発者、1200万ドルをイーサリアムネットワークに送金

ここ数カ月で最もバイラルなトークンの1つであるBALDの背後にいる謎の開発者は、昨日、イーサリアムネットワークに1200万ドル(約17億4000万円)のイーサリアム(ETH)を送金した。BALDは時価総額8000万ドル(約116億円)に達した数週間後、いくつかのアクションによって価格が90%下落した。

オンチェーン分析会社Lookonchainが引用したデータによると、BALDをデプロイした者は日曜日にBaseネットワークからイーサリアムに7000ETH(約1290万ドル、約18億7000万円)をブリッジした。ブリッジとは、異なるブロックチェーン間でのトークンの移動を指す。

その後、このデプロイヤーは2100ETH(現在の価格で約387万ドル、約5億6000万円相当)を暗号資産(仮想通貨)取引所クラーケン(Kraken)に預け入れた。

Dune Analyticsによると、この送金で初めてBase ネットワークから引き出された金額が、Baseネットワークに預け入れられた金額を上回った。

暗号資産取引所コインベース(Coinbase)によって構築されたブロックチェーンであるBaseがまだ正式に公開されていなかった8月上旬に、BALDは謎の上昇を見せた。あるトレーダーが500ドルを数十万ドルに変えたというバイラル投稿により、BALDは数日のうちに400万%も急上昇し、トレーダーたちは横ばいだった市場全体からリターンを引き出そうと考え、エコシステムに6600万ドル(約95億6000万円)以上のETHを引き寄せた。

BALDはすべてを持っているように見えた。無限とも思える流動性、成長するコミュニティ、新しいトレーダーの流入、そして一部では次の柴犬コイン(SHIB)になるのではないかという漠然とした期待。しかし、この幸福感は数日しか続かなかった。このトークンのデプロイヤーが数百万ドル相当の流動性を削除した後、BALDの価格はピークから90%も下落した。

デプロイヤーは以前、Baseネットワーク上に構築された分散型取引所(DEX)であるリートスワップ(LeetSwap)の流動性プールに最大3500万ドル(約50億7000万円)相当のイーサリアムを追加しており、資金力のあるプロジェクトであるかのような錯覚を与えていた。

また、BALDに対してETHを供給し、価格が上昇したときにBALDのためにETHを売却することで、数百万ドルの手数料を得た可能性もある。

そのため、価格下落の後、開発者はほとんど動揺していないようだった。「流動性トークンを含め、デプロイ先アドレスによって管理されているトークンは、デプロイ先が所有しており、デプロイ先がそれらで何をするかの権利を留保している」と彼らは投稿した。

「それでもこのトークンを取引しようとするなら、おそらく全財産を失うことになるだろう(まだ売却していないなら)。これはミームコインだ。ロードマップはない。このトークンの基本的な価値は0ドルであり、BALDチームは存在しない」と彼らは付け加えている。

ウォレットの活動やアラメダのプロジェクトとの関連性から、BALDとサム・バンクマン-フリード(Sam Bankman-Fried)が所有するアラメダ・リサーチ(Alameda Research)との関連性を指摘する人もいる。しかし、この裕福なデプロイヤーの身元は、8月14日の時点では、謎のままだ。

|翻訳:CoinDesk JAPAN
|編集:井上俊彦
|画像:Shutterstock
|原文:BALD Developer Sends $12M Back to Ethereum After Spectacular Mess Up