アルトコイン急落で暗号資産市場が下落──ビットコインも2万9150ドルへ

暗号資産(仮想通貨)市場の15日の値動きは当初穏やかだったが、午後半ばに急落し、全般的に下落した。従来の金融商品の市場も同様に大幅に下落し、15日のアメリカの主要株価指数の下げ幅は1%以上となった。

暗号資産市場全体のパフォーマンスを示すCoindesk Market Index(CMI)は1.3%下落している。この下落を主導したのは、エックス・アール・ピー(XRP)、ドージコイン(DOGE)、ポルカドット(DOT)、ポリゴン(MATIC)、ユニスワップ(UNI)などのアルトコインで、それぞれ24時間で4%以上の下落を記録した。パフォーマンスが比較的高かったのはビットコイン(BTC)とイーサリアム(ETH)で、どちらも下落率は1%未満にとどまった。

米小売売上高が予想上回る

15日に発表されたアメリカの7月小売売上高が予想をはるかに上回る結果となったため、マクロ経済的な不安が生じたことがこの下落の背景にあると考えられる。アトランタ連銀のGDPNowモデル(更新済みで小売売上高のデータも反映)は現在、第3四半期のアメリカの国内総生産(GDP)伸び率を5%と高く予測しているが、これはFRB(米連邦準備制度理事会)が利上げを停止する、または利下げを検討し始める必要があるような経済では到底ない。

FXブローカーOANDAのシニア・マーケットアナリストであるエド・モヤ(Ed Moya)氏はCoinDeskに対し、「債券市場の下落が再開するにつれて暗号資産は下落しており、中央銀行の引き締めリスクが高まるにつれて世界の債券利回りが上昇している」と指摘。「引き締めの終わりが来ると予想されていたが、現在はそうはならない可能性があるようだ」と述べた。

15日に発表された経済ニュースを受けて、ナスダック総合指数とS&P500、ダウ平均は15日にそれぞれ1%以上下落。10年物と30年物の米国債利回りはそれぞれ2023年の最高値に上昇した。

暗号資産の冬は続く

暗号資産は2023年に少なくともある程度は安定したように見えるが、価格と取引活動は依然として低迷しており、弱気市場の状況は続いている。暗号資産ニュースサイトのThe Blockは15日、マーケットメーカーのGSRで、最高財務責任者(CFO)のジョナサン・ヒュー(Jonathan Hugh)氏などの幹部レベルを含めて更なる離職者が出ていると報じた。GSRの広報担当者は「当社の事業運営と戦略は、変化する市場状況に対応するために自然に進化してきた」と述べた。

同社は昨年10月、当時300人いた従業員の約10%を解雇した。

|翻訳・編集:林理南
|画像:Eva Blue/Unsplash
|原文:Altcoin Plunge Leads Crypto Lower; Bitcoin Slips 0.7% to $29,150