決済業界大手のマスターカード(Mastercard)が、暗号資産業界のプレーヤーと中央銀行デジタル通貨(CBDC)について議論し、協力するためのフォーラムを設立した。世界中の国々がCDBCの可能性を検討するなか、影響力を拡大する動きといえる。
CBDCは暗号資産ではないが、同じ範疇に属している。必ずしもそうする必要はないが、ビットコインや他の暗号資産の基盤技術であるブロックチェーンをベースにすることができるからだ。CBDCは、米ドルなどの既存の法定通貨のデジタル版。
8月17日、マスターカードはCBDCパートナー・プログラムの初期メンバーには、リップル(Ripple)、ファイアブロック(Fireblocks)、コンセンシス(Consensys)などが含まれると発表した。
同社デジタルアセット&ブロックチェーン部門の責任者ラジ・ダモダラン(Raj Dhamodharan)氏は声明の中で、このプログラムは業界の主要プレーヤー同士の対話を活性化し、「イノベーションと効率化の推進」を目的としていると述べた。
「私たちは、さまざまな決済方法における選択肢と相互運用性は、経済の繁栄に不可欠な要素と考えている。デジタル主導の未来を見据えたとき、CBDCとして保有される価値が他の形態のお金と同様、使いやすいものであることは必須だろう」
マスターカードは早くからデジタル資産エコシステム、特にCBDC分野でのイノベーションに取り組んできた。2021年初頭、バハマで初のCBDCとなるプリペイドカードを発行。
直近では、イギリスでトークン化された銀行預金のための実証実験を開始しており、いずれCBDCやステーブルコインも対象にするだろうと述べている。
|翻訳:吉見朋子
|編集:増田隆幸
|画像:Mastercard
|原文:Mastercard Deepens Tie to CBDCs as Nations Mull Issuing Digital Currencies