ビットコイン、今週は11％下落──FTX崩壊以来、最悪の週間下落に

ビットコインは今週、FTX崩壊以来の最悪の週間下落になりそうだ。
注目されたグレイスケール vs SECの裁判の判決が出なかったことも下落につながった。
市場関係者の間では、調整が終わったかどうかについて意見が分れている。

ビットコイン（BTC）は18日、前日に続いて下落、昨年11月のFTX崩壊による以来、最悪の週間下落になりそうだ。ビットコイン価格をサポートすると見られてきたグレイスケールとSECの裁判での判決が18日に出なかったこともあり、楽観論は打ち砕かれた。

ビットコインは18日午後、再び2万6000ドルを割った。17日午後には2万5392ドルまで下落し、6月中旬以来の安値を記録していた。

今週の下落率は約11％となり、FTX崩壊による昨年11月の下落以来、最悪の週となりそうだ。

ETH、XRP、MATIC、DOGE、SHIBも下落

イーサリアム（ETH）は、SECがETH先物ETF（上場投資信託）を承認する意向とのニュースで、ビットコインよりもわずかに持ちこたえたものの、週で約10％下落。CoinDeskのトレンドインジケータによると、イーサリアムは2カ月ぶりに「大幅な下落トレンド」にあり、下落の勢いが強いことを示している。

エックス・アール・ピー（XRP）、ポリゴン（MATIC）、ドージコイン（DOGE）と柴犬コイン（SHIB）は今週、15％〜20％下落。暗号資産市場全体のパフォーマンスを示すCoinDesk Market Index（CMI）は今週、12%以上下落。

GBTCの判決出ず

市場関係者は、資産運用会社グレイスケールとSECとの裁判の判決が出ると考えていた。だが判決が出ると思われていた時間に、何も発表されなかった。

UPDATE: Unfortunately today is not the day either. No decision on @Grayscale vs @SECGov case for converting $GBTC into a #Bitcoin ETF.

Come back next Tuesday for more potentially useless updates! https://t.co/RdbwNy1nSM
— James Seyffart (@JSeyff) August 18, 2023

更新：残念ながら今日ではなかった。GBTCをビットコインETFに変換するためのグレースケール対SECの裁判については何の決定もない。

来週の火曜日、役にたたないかもしれない更新をお楽しみに！

グレイスケールはグレイスケール・ビットコイン・トラスト（GBTC）のETFへの転換を望んでいるが、SECは拒否。この決定を覆すために提訴していた。

デリバティブ分散型取引所（DEXTER）SynFuturesのCEO兼共同設立者、レイチェル・リン（Rachel Lin）氏は、判決は市場に「大きく立ちはだかる」とメールで述べた。

「有利な結果が出れば、ビットコインにかなりの追い風が吹くかもしれない。不利な判決だとしても、ビットコインに本質的な破滅をもたらすわけではないが、弱気センチメントが強まるかもしれない」

判決が出ないまま、ビットコインは18日の大半を2万6000ドル超で推移したが、その後、2万6000ドルを割った。

ショートスクイーズか、もう一段の下落か？

一部の市場関係者は、前日17日の下落をマクロ経済にまつわるニュースと結びつけたが、下落は過度のレバレッジによって説明できると、暗号資産市場分析会社K33 Researchはレポートで述べた。

「暗号資産市場の突然の下落は、ニュースよりもむしろ市場構造によって引き起こされた。多くの人は、スペースX（テスラ）によるビットコイン売却や、利上げの可能性の高まりなどに下落の原因を求めようとしているが、いずれもこのタイミングと下落を説明することはできない」

「しかし、デリバティブ市場の建玉というレバレッジの蓄積は、大量の清算とそれに続く建玉の減少が証明しているように、急速なフィードバック・ループのための完璧な条件を作り出した」

大量の清算と建玉の減少は、ビットコインの見通しにとってプラスになるかもしれないとレポートは述べた。

「今回の下落が継続的なマイナストレンドにつながる理由はない。どちらかと言えば、ロングの一掃とショートの増加は、今後のショートスクイーズの基礎を築くかもしれない」

QCP Capitalはこれとは異なり、9月末頃に2万4000ドル付近までもう一段、価格は下落すると予想している。

「パウエル連邦準備制度理事会（FRB）議長が来週のジャクソンホールで行う講演が今は大きく今後を左右すると考えている。だが、今回の値動きで非常に重要な2万4000〜2万5000ドルのゾーンを維持したことから、当社はここで修正波動Aが終了し、底を再テストする波動Bで跳ね返ると考えている」と同社はテレグラムでの市場情報で述べた。「これは四半期を締めくくる最後の波で終わる」。