暗号資産(仮想通貨)の最新のキラーアプリはソーシャル・トークナイゼーション・プロトコル「Friend.tech」のようだ。今のところ、開発者に多額の収益をもたらしている。
Friend.techは、X(旧ツイッター)のインフルエンサーなどが独自トークンを発行でき、ユーザーはトークンを購入するとクローズド・グループ・チャットにアクセスできるようになる。当記事執筆時点、DefiLlamaによると、過去24時間で各トークンの5%に設定された取引手数料は142万ドル(約1億5000万円、1ドル145円換算)以上にのぼる。収益は約71万ドル(約1億300万円)。
これは、取引手数料が333万ドルのイーサリアム・ブロックチェーン、154万ドルのステーキング・サービス「Lido」に続く額。だがLidoの収益は15万4000ドルとFriend.techを下回っており、Friend.techは暗号資産サービスの中で最大級の収益をあげている。
このような成長は、動きの速い暗号資産業界の中でも特筆すべきものだった。Friend.techの招待制のベータ版は8月10日にスタートし、初日だけで約4400ETH(約810万ドル)の取引高を記録した。Friend.techは、暗号資産取引所コインベース(Coinbase)の新しいレイヤー2ネットワーク「Base」上に構築されている。
一部の暗号資産インフルエンサーのトークンは、数日で3ETH(約5000ドル)に上昇した。
Friend.techはまた、Base人気を牽引している。先週、Baseは1日あたりのアクティブユーザー数が13万6000人に達し、既存のレイヤー2ネットワーク、アービトラム(Arbitrum)とオプティズム(Optimism)を抜いた。
Friend.techでのグループ・チャットは、トークン購入者にとって親密なコミュニティ体験へと進化している。例えば、トレーディング・インフルエンサーの@RookieXBTは、トークン購入者にレベニューシェアとXプレミアムのサブスクリプションを提供している。
盛り上がりは、始まったばかりかもしれない。
暗号資産以外のインフルエンサーたちが週末にFriend.techに参加したことで、一般大衆に暗号資産が普及する可能性が出てきたとの見方もある。
人気のeスポーツ・コミュニティ「FaZe Clan」の共同設立者、リチャード・ベンストン(Richard Bengtson)氏は20日遅くにFriend.techに参加、発行したトークンの価格は急速に上昇した。NBA選手のグレイソン・アレン(Grayson Allen)氏のトークンも参加後のわずか数時間で急上昇した。
「特に成功しているYouTuber/ストリーマーに投資するというアイデアはクールだとずっと考えていた」「私は多くの才能ある人たちを発見してきた。こういうプロダクトはぴったりだ」とベンストン氏はツイートした。
|翻訳:CoinDesk JAPAN
|編集:増田隆幸
|画像:Friend.techのWebサイト(キャプチャ)
|原文:Friend.tech Becomes Massive Ether Money Machine as NBA Players, FaZe Clan Join In