ビットコイン、3%上昇で2万6600ドルに──ソラナ、ニア、カルダノが市場全体の上昇を主導

暗号資産(仮想通貨)市場は先週17日に急落した後、やや値を戻している。ビットコイン(BTC)は23日、3%以上上昇して2万6600ドル(約385万7000円、1ドル145円換算)を超え、今週の最高値をつけた。

イーサリアム(ETH)は3.5%上昇し、徐々に1700ドル(約24万6500円)の水準に近づいた。

暗号資産市場全体のパフォーマンスを示すCoinDesk Market Index(CMI)は3%上昇しており、ビットコインやイーサリアムの上昇率とほぼ一致している。

ソラナ・ニア・カルダノが大幅上昇

ECプラットフォームのショッピファイ(Shopify)が「Solana Pay」を採用し、ステーブルコインのUSDコイン(USDC)で支払いが可能になったことで、ソラナ(SOL)は23日に7%近く上昇した。

ニア(Near)プロトコルのネイティブトークンであるニア(NEAR)は、暗号資産金融業者のネクソ(Nexo)が自社のプラットフォームに採用したことを受け、6%以上上昇した。

より規模の大きいアルトコインの中では、カルダノ(ADA)、ポルカドット(DOT)、大手暗号資産取引所のバイナンス(Binance)のBNBがそれぞれ3%〜5%上昇した。

米10年債利回りが低下

暗号資産の上昇は、従来の金融商品の市場での大幅な上昇を反映したものだ。米10年債利回りが13.5ベーシスポイント低下して4.19%となったのに伴い、ナスダック総合指数とS&P500はどちらも1%以上上昇した。

市場終了後には、半導体大手エヌビディア(Nvidia)が大幅な増収と前向きなガイダンスを発表。株価が7%上昇してAI関連暗号資産の価格を押し上げた。Fetch.aiの「FET」は9.5%、「SingularityNET(AGIX)」とRender Networkのユーティリティトークン「RNDR」は5%上昇した。

ビットコイン価格の見通しは?

23日は暗号資産市場全体が上昇したが、ほとんどのデジタル資産は17日に2桁下落した影響から回復しておらず、1週間前よりも大幅に低い水準で取引されている。ビットコインはこの暴落で2万5000ドルを下回った。

暗号資産レンディングプラットフォームLednの最高投資責任者で英銀大手バークレイズ(Barclays)の元マネジングディレクターであるジョン・グローバー(John Glover)氏は、デジタル資産の下落傾向は数週間続く可能性があると指摘した。

グローバー氏は、「ビットコインやイーサリアムなどのリスク資産については、テクニカルとファンダメンタルズの両方の面で、今後数週間で価格が軟化することが示唆されている」と指摘。テクニカルとファンダメンタルズが一致すると、市場価格もそれに従う傾向があると述べた。

また、TheoTradeの共同創業者であるドン・カウフマン(Don Kaufman)氏はCoinDesk TVとのインタビューで、流動性と市場への参加が欠けており、さらなる価格上昇の支えにならないとの見方を示した。

カウフマン氏は、「流動性は重大な懸念事項となっている。市場参加がより活発化しなければ、ビットコインが価格上昇を維持できるとは思えない」と指摘。「最近の取引セッションでは、急速かつ容赦のない動きの証拠が見られたが、その多くは市場参加の欠如が要因となっている」との見方を示した。

一方、暗号資産投資会社パンテラ・キャピタル(Pantera Capital)の見方は異なり、ビットコインはこうした低迷した価格水準に長くは留まらない可能性が高いと予測している。

パンテラ創設者のダン・モアヘッド(Dan Morehead)氏はX(旧Twitter)で、「ビットコインは最近、15カ月間という史上最長で前年比マイナスを記録した」と指摘。「我々の見解は、十分に見てきたということだ」と述べた。

|翻訳・編集:林理南
|画像:CoinDesk
|原文:Bitcoin Climbs 3% to $26.6K; SOL, NEAR, ADA Lead Crypto Market Gains