米証券取引委員会(SEC)は、ロサンゼルスを拠点とするインパクト・セオリー(Impact Theory)社に対し、未登録の有価証券としてNFTを販売したとして、購入した投資家に対して補償を行うよう命じた。SECによるNFT関連の執行措置が行われるのは今回が初めて。
投資利益の約束や宣伝で有価証券と認定
SECの見解は、規制当局がすべてのNFTを有価証券とみなし、潜在的な行動の結果を制限していることを示唆するものではない。
SECが28日に出した声明によれば、インパクト・セオリー社は、SECが有価証券とみなした3層構造のNFTの販売で3000万ドル(約43億5000万円、1ドル145円換算)近くを集めたという。NFTシリーズの名称は「ファウンダーズ・キー(Founder’s Key)」で、それぞれの階層に異なる特典が設定されている。SECの命令では、インパクト・セオリー社のチームがNFTから利益を得ることを投資家に約束し、NFTの「途方もない価値」を宣伝していたことから、NFTが有価証券として認定されるとされている。
SECは声明文で、「インパクト・セオリー社は投資する可能性のある人に対し、ファウンダーズ・キーの購入をビジネスへの投資とみなすよう勧め、インパクト・セオリー社の取り組みが成功すれば投資家は購入することで利益を得られると主張していた」と指摘している。
払い戻しと罰金が予定される
インパクト・セオリー社は、NFTを購入した投資家に払い戻しを行うための基金を設立し、自社で保有しているNFTを破棄するすることに同意した。さらに、規制当局に610万ドル(約8億8450万円)以上の罰金も支払う予定だという。
|翻訳・編集:林理南
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|原文:SEC Issues First Enforcement Action Targeting NFTs