米証券取引委員会(SEC)は28日、暗号資産(仮想通貨)取引大手バイナンス(Binance)に対する訴訟において、35件以上の証拠品を含む非公開の動議を提出した。バイナンスにとってさらに悪いニュースになるのではないかと懸念する声も出ている。
この動議には、35件以上の証拠品とSECの弁護士であるジェニファー・ファーラー (Jennifer Farer)氏の宣誓、命令案が含まれていた。
バイナンスの広報担当者はCoinDeskのコメント要請にまだ応じていない。
元SEC職員「珍しい行動」
元SEC職員で現在はコンサルティング会社を経営しているジョン・リード・スターク(John Reed Stark)氏はX(旧Twitter)で、裁判文書を非公開で提出するのは「珍しい行動」だと指摘。「結局のところ、SECによるアメリカの税金の使い方を知り、理解することは公共の利益である。そして、SECは将来の証券違反を阻止するために自らのメッセージが大きくはっきりと届けられることを望んでいる」と述べた。
スターク氏は、SECの行動について2つの説を提示した。米司法省が行っている犯罪捜査への干渉を避けようとしている可能性と、証人や企業を危険にさらすことを懸念している可能性だ。
SECは6月、BNBトークンとステーブルコインであるバイナンスUSD(BUSD)の形で未登録の証券を一般に提供したとして、連邦証券法違反の疑いでバイナンスを提訴した。
スターク氏は、非公開を求めるSECの動議の異例さを強調し、「SECのインターネット執行局長としての11年間を含め、SEC執行部門で私が勤務したほぼ20年間、我々のチームは、米司法省の調査や数多くの訴訟と並行して行われた幅広いSEC調査に取り組み、主導してきた。動議などの法廷文書を非公開で提出しようとしたことは思い出せない」と述べた。
|翻訳・編集:林理南
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|原文:SEC’s Secret Binance Court Filing Has Observers Bracing for Bad News