グレイスケール・ビットコイン・トラスト(GBTC)を運用するグレイスケール(Grayscale)は、先月リップル(Ripple)が得た有利な判決に続き、アメリカ証券取引委員会(SEC)に対する暗号資産(仮想通貨)業界の2つ目の画期的な勝利を収めたと投資会社バーンスタイン(Bernstein)は8月29日の調査報告書で述べた。
アメリカの控訴裁判所は29日、SECに対して、GBTCの上場投資信託(ETF)への転換を求めるグレイスケールの申請を却下したことを見直すように命じる判決を下した。
ゴータム・チュガニ(Gautam Chhugani)氏率いるアナリストは、今回の判決で「ビットコイン(BTC)現物ETFの上場への道が開けた」とし、SECが現在の申請をまとめて承認する可能性が高まったと書いている。
ETFは株式のように取引所で取引され、原資産のパフォーマンスを追跡する。原資産を購入することなく暗号資産に投資できることから、ETFの人気は高まっている。
裁判所の決定は、GBTCを直ちにETFに転換することを認めるものではないが、「グレイスケールが他のビットコインETF申請者と同等に扱われるための公正な根拠を与えるものだ」と報告書は述べている。
SECの最終審査は2024年初頭まで続くという。
バーンスタインは以前、ビットコインETFのスポット市場が大きくなり、2、3年後にはビットコインの時価総額の10%に達すると述べていた。
グレイスケールは米CoinDeskの親会社であるデジタル・カレンシー・グループ(Digital Currency Group)の子会社だ。
|翻訳:CoinDesk JAPAN
|編集:井上俊彦
|画像:グレイスケールのマイケル・ソンネンシャインCEO(CoinDesk)
|原文:Grayscale Victory Against SEC Clears Path for Spot Bitcoin ETFs: Bernstein