SWIFTとチェーンリンクのトークン化実験、複数のブロックチェーン間での価値移転に成功

銀行間の国際決済をサポートするSWIFT(スイフト:国際銀行間通信協会)と、Web3サービスプラットフォームのチェーンリンク(Chainlink)は31日、複数のプライベートおよびパブリック・ブロックチェーン間でのトークン化された資産の移転に成功したと発表した。

「今回の結果は、トークン化資産市場の成長を妨げる大きな障害を取り除き、市場の成熟とともにグローバルに拡大できる可能性を秘めている」(プレスリリース)

6月、SWIFTとチェーンリンクは、数十の金融機関と協力し、複数のブロックチェーンとの接続方法をテストすると発表していた。BNPパリバ、バンク・オブ・ニューヨーク・メロン(BNPメロン)、DTCC(Depository Trust&Clearing Corp.:米証券保管振替機関)、ロイズ・バンキング・グループなどがテストに協力した。

世界中の金融機関が金融市場の改善を目的として、資産のトークン化を試みる動きが強まっている。香港金融管理局(HKMA)の最近のレポートによると、トークン化は債券市場の効率性と透明性を高める可能性があるという。

トークン化の潜在能力

「トークン化がその潜在能力を発揮するためには、金融機関が金融エコシステムをシームレスに接続する必要がある。我々の実験では、既存の安全かつ信頼できるSWIFTのインフラは、接続の中心ポイントを提供でき、トークン化の発展における大きなハードルを取り除き、その可能性を解き放つことを明確に証明した」とSWIFTの最高イノベーション責任者トム・シャッハ(Tom Zschach)氏はプレスリリースで述べた。

SWIFTはチェーンリンクのCross-Chain Interoperability Protocol(CCIP)を使い、異なるブロックチェーンと接続。CCIPは、クロスチェーン間でのアプリケーションとサービスの開発を支援するもので、7月に稼働した。

SWIFTとチェーンリンクの取り組みに関するレポートは、トークン化に関する規制の明確さの必要性を強調し、今後の取り組みではデータ・プライバシーにより重点を置くと述べている。

|翻訳:清水マキ
|編集:増田隆幸
|画像:左:チェーンリンクのナザロフCEO、右:戦略ディレクターのジョナサン氏(Chainlink Labs)
|原文:Swift, Chainlink Tokenization Experiment Successfully Transfers Value Across Multiple Blockchains