FSBとIMF、G20サミットで暗号資産政策に関して世界的な協調を求める文書を発表

金融安定理事会(FSB)と国際通貨基金(IMF)は、世界の暗号資産(仮想通貨)政策に関する共同文書を発表する予定だと、FSBのクラース・クノット(Klaas Knot)議長が9月5日の書簡で述べた。

世界的な基準設定機関であるFSBと世界的な経済機関であるIMFは、今週末のG20サミットでこの文書を発表する。文書には、世界的な協調、協力、情報共有を含む暗号資産に関する政策枠組みの実施に関するロードマップが含まれている。

この文書は、12月までG20議長国を務めるインドから要請されたものだ。そして、暗号資産がもたらすリスクに対する「包括的な政策対応」の必要性に応えるものでもある。暗号資産取引所FTXの破産やテラのステーブルコイン崩壊などの出来事は、暗号資産が直面している「脆弱性」を浮き彫りにしており、暗号資産と広範な金融システムとの結びつきが強まっていることから、厳重な監視が必要であると書簡は述べている。

「暗号資産のリスクは、金融の安定性にとどまらず、通貨主権、資本フローの変動、財政政策に関連するマクロ経済リスクも含みうる」とクノット氏は書いている。

この文書は、新興市場や先進国が直面する可能性のあるマクロ金融リスクの増幅を強調し、的を絞った対策の必要性を高める可能性がある。

米CoinDeskは8月、G20諸国がこの文書にグローバルな協力の呼びかけを盛り込むことを求めており、インドが新興市場や途上国特有のマクロ金融への影響やリスクに関する懸念を盛り込むように働きかけていると報じた。

FSBは7月にグローバルな枠組みを作ることを求めており、関係者は、これらのルールはまったく新しいものである必要はないだろうと述べている。

|翻訳:CoinDesk JAPAN
|編集:井上俊彦
|画像:Shutterstock
|原文:Global Standard Setters to Deliver Global Crypto Policy Roadmap