G20議長国のインド、今後数カ月で暗号資産に対するスタンスを決定

インドは、20カ国・地域(G20)首脳会議の審議の一部であった、許容可能な暗号資産(仮想通貨)ルールの枠組みに関する世界の指導者のスタンスを考慮した上で、今後数カ月のうちに暗号資産に関する独自の立場を分析し、決定する予定だと9月10日に財務省の高官が述べた。

G20首脳会議の傍らで記者団を前に、インド財務省の高官、アジェイ・セス(Ajay Seth)氏は「インドの立場は今後数カ月で決定される」と述べた。彼は、「リスク評価の枠組みはG20によってまとめられた」ので、我々は「世界的に首脳が合意したもの」を分析し、その後「インドにとって健全な政策は何か」を決定すると付け加えた。

インドは、暗号資産産業が厳しい税制、暗号資産の冬、「シャドウバン」、マネーロンダリング防止規則、大手暗号資産取引所に対する強制措置などの一連の打撃を受ける前には、この業界が急成長していた国と見られていた。

インドがG20議長国として世界的な暗号資産ルールの策定を優先課題とし、国際通貨基金(IMF)と金融安定理事会(FSB)の 「合同文書」 という形でその目標を達成したことで、同国では監視の目が厳しくなっている。

日曜日のセス氏のコメントは、インドが独自の法案を策定する可能性へのシフトを示しており、これはインドが2022年初頭に法案を通じて暗号資産を包括的に法制化する計画を中断して以来初めてのことだ。

インド政府関係者は以前米CoinDeskに対し、同国は必ずしも法案という形で独自の暗号資産規制を策定する必要はないと語っていた。

FSBは勧告の実施状況のレビューを求めているが、2025年末までにインドはすでにマネーロンダリング防止規則と暗号資産のための税制を導入する予定で、それで十分かもしれないと、関係者は8月に米CoinDeskに語っている。同国の中央銀行は暗号資産の禁止を提唱しているが、政府はそのような立場を示しておらず、今のところ、政府がそのような道に進む可能性は低い。合同文書も一律禁止ではうまくいかないとしている。

先週末のG20首脳会議に先立ち、インドは暗号資産に関する議長声明を発表している。これは、合同文書がまとまる前に、暗号資産に関してインドがどのような立場をとっているかを示す公式文書だった。

|翻訳:CoinDesk JAPAN
|編集:井上俊彦
|画像:Shutterstock
|原文:India Will Decide on Its Crypto Stance in Coming Months