ビットコインは一時2万5000ドル割れ、アルトコインも下落──FTXの暗号資産売却を懸念

暗号資産(仮想通貨)市場は11日、破産した暗号資産取引所FTXが保有する暗号資産を売却する可能性が高まったことで急落した。ビットコイン(BTC)は2%以上下落し、午前中に一時2万4963ドルまで下落、6月中旬以来の2万5000ドル割れとなった。その後、やや反発し、当記事執筆時点では24時間で2.6%下落の2万5140ドル付近となっている。

イーサリアム(ETH)は3.2%下落して、1560ドル付近。市場全体のパフォーマンスを示すCoinDesk Market Index(CMI)は3%下落。

アルトコインは大きく下落

アルトコインは、ソラナ(SOL)が8%以上下落するなど、大きく下落した。トンコイン(Toncoin:TON)とアービトラム(ARB)も同程度下落、エックス・アール・ピー(XRP)は5%下落。

市場は、FTXが保有している34億ドル相当の暗号資産の売却を破産裁判所が承認する可能性が高まるなか、下落した。

シンガポールを拠点とするデジタル資産サービス・プロバイダーのマトリックスポート(Matrixport)は11日のマーケット・レポートに、FTXが早ければ今週にも売却を開始する可能性があるため、「アルトコインの暴落が近づいている」と指摘した。

FTXは11億6000万ドル相当のソラナを保有しているため、ソラナが最も大きな売り圧力に直面していると米CoinDeskは11日朝に伝えた。CoinDesk Indicesのデータによると、供給量の約16%にあたる量だ。

FTXはまた、5億6000万ドル相当のビットコインと、あまり知られていない、流動性が低く、時価総額の低い暗号資産を数億ドル相当、保有している。同社はすでにデジタル資産投資会社のギャラクシー(Galaxy)に売却の支援を依頼している。

イーサリアム、ソラナの価格見通し

マトリックスポートは、FTXの売却は今年残りの期間のアルトコイン価格の重しとなる可能性があると述べている。

ソラナは取引高を増やしながら、19ドルから下落すると同社は指摘、この動きを「懸念すべき」とし、次のサポートレベルである15ドル、さらには10ドルまで下落する可能性があると指摘した。

イーサリアムもまた、プロトコルの「収益の伸びが期待外れ」となるにつれ、さらに下落する可能性があるという。

「テクニカル的には、1650ドルを突破したことで、イーサリアムについては現状、非常に慎重に見ており、年末にかけて価格が大幅に下落するシナリオも想定される」「1500ドルを割れば、1000ドルまで下落する可能性があるという考え方が再び浮上する可能性がある」

マトリックスポートのリサーチ・戦略責任者マークス・ティーレン(Markus Thielen)氏は、リンクトインに「以前のような強気相場のアルトコインは、トークノミクスの稚拙さによって傷ついたようで、次世代のアルトコインが勢いを得るために新しいテーマを探している間は、回復しないかもしれない」と述べた。

「その間、ビットコインへのエクスポージャーを維持することが最も理にかなっている」

|翻訳:CoinDesk JAPAN
|編集:増田隆幸
|画像:CoinDesk
|原文:Bitcoin Drops Below $25K With Altcoins Bracing for Deeper Crash from FTX Crypto Sale