ビットコイン(BTC)はここ1カ月間安定して推移しており、本記事執筆時点の価格は2万6700ドル(約387万1500円、1ドル145円換算)で30日前からほぼ横ばいとなっている。しかし、他の暗号資産(仮想通貨)のリスクが高まるにつれ、ビットコインのドミナンスは高まっている。
デジタル資産市場全体に占めるビットコインのシェアを示すドミナンスは18日に50.2%に上昇。ここ1カ月で最も高い水準となり、6月末に記録した26カ月ぶりの高水準である52%に近づいた。
ETFへの期待
より長期の視点で見ると、ビットコインのドミナンスは6月に52%の水準に上昇するまで2年以上39%から49%の範囲にあった。6月には、世界最大の資産運用会社ブラックロック(BlackRock)によるビットコインETF(上場投資信託)の申請によりビットコインに大規模な資金流入が起きることへの期待が高まった。
暗号資産サービスプロバイダー、マトリックスポート(Matrixport)のリサーチ責任者マーカス・ティーレン(Markus Thielen)氏は18日にCoinDesk TVとのインタビューで、ビットコインはETF上場によって高まった「潜在的な買い圧力」を享受している一方、アルトコインは安値をブレイクする瀬戸際にあるかもしれないと指摘。アルトコイン市場のリスクとして、破綻した暗号資産取引所FXTのトークン売却、イーサリアムプロトコルの収益の減少、ベンチャーキャピタル投資家がトークンを売却できる今後のトークンアンロック(ロック解除)を挙げた。
ティーレン氏は、「今年これまでのところビットコインは7月に、イーサリアムは4月に最高値を記録した」とし、「こうした(ETFの)発表はすべて、アルトコインに全く利益をもたらしていない。イーサリアム(ETH)でさえもだ」と述べた。
ニューヨーク金融サービス局の規制
マクロアナリストのノエル・アチソン(Noelle Acheson)氏は、ニューヨーク金融サービス局(NYFDS)が18日に提案した最新の規制変更により、ビットコインが恩恵を受ける可能性が高いと指摘した。これには、暗号資産を取引所に上場する際の規制の厳格化と同時に、ライセンス保有者が追加の規制上の障害なしに上場またはカストディ(管理・保管)を行うことができるデジタル資産としてビットコインをグリーンリストに登録することが含まれる。
アチソン氏はニュースレターで、「暗号資産市場への当面の影響は、ビットコインが『安全な』暗号資産としての地位を強固にするにつれ、ビットコインへのさらなる資金流入が起きる可能性がある」と述べた。
|翻訳・編集:林理南
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|原文:Bitcoin’s Crypto Market Dominance Rises to 50% and It Could Go Higher, Say Analysts