イーサリアムネットワーク上に構築された分散型オラクルネットワークであるチェーンリンク(Chainlink)のLINKトークンは18日に10%以上急騰した。伝統的な金融機関との新たな提携が背景にある。
LINKは18日に6.83ドルまで上昇。過去24時間の上昇幅は10%強で、暗号資産市場全体のパフォーマンスを上回った。ビットコイン(BTC)もこの日3%上昇した。金融調査会社ファンドストラット(Fundstrat)のアナリストであるトム・クチュール(Tom Couture)氏は、トークン化された資産の採用を拡大することを目的としたチェーンリンクとSWIFT(スイフト:国際銀行間通信協会)との取り決めをめぐる楽観的な見方がこの上昇の原因であるとしている。
SWIFTのイベントで共同創設者が講演
チェーンリンクの共同創設者であるセルゲイ・ナザロフ(Sergey Nazarov)氏は18日、SWIFTのグローバル金融サービスネットワーキングイベント「Sibos」で講演を行った。ナザロフ氏とオーストラリア・ニュージーランド銀行グループ(ANZ)の銀行サービス責任者を務めるナイジェル・ドブソン(Nigel Dobson)氏は、チェーンリンクのクロスチェーン相互運用プロトコル(CCIP)を使用したクロスチェーン決済について語った。
チェーンリンクと、アメリカ市場での取引の大部分を処理するDTCC(Depository Trust & Clearing Corp.:米国証券保管振替機関)は6月、SWIFTのブロックチェーン相互運用プロジェクトでの提携を発表していた。チェーンリンクのCCIPにより、ソースブロックチェーンとデスティネーションブロックチェーンの間の完全な相互運用が可能になる。
ANZも9月13日、チェーンリンクのCCIPを利用してANZ発行のオーストラリアドル連動ステーブルコイン「A$DC」によるトークン化資産のクロスチェーン購入を完了した。チェーンリンクはX(旧Twitter)で、「この新たな発展は、最近のSWIFTブロックチェーン相互運用イニシアチブから学んだ教訓に基づいており、金融機関がCCIPを利用してパブリックブロックチェーンとプライベートブロックチェーンにわたるクロスチェーントランザクションを促進する方法をさらに示している」と表明した。
4つのウォレットが約169億円を送金
spotonchainのオンチェーンデータでは、週末に4つのチェーンリンクウォレットがロックを解除し、1875万LINK(約169億6500万円、1ドル145円換算)を送金したことが判明している。約1500万LINKが暗号資産(仮想通貨)取引大手バイナンス(Binance)に入金され、300万LINKが0xD50fで始まるマルチシグアドレスに送信された。
オンチェーン分析会社Lookonchainは、そのチェーンリンクウォレットが2022年8月以来3カ月ごとにバイナンスにLINKを入金しており、その総額は7100万LINK(約646億7000万円)を超えていると指摘した。
|翻訳・編集:林理南
|画像:CoinDesk
|原文:Chainlink’s LINK Soars, Outperforming Other Crypto Majors