NBA「ダラス・マーベリックス」のオーナーで、ビリオネアのテクノロジー投資家、マーク・キューバン（Mark Cuban）氏が、フィッシング詐欺で週末、約87万ドル（約1億3000万円、1ドル145円換算）相当の暗号資産（仮想通貨）を失った。
フィッシング詐欺は、ユーザーを騙したり、マルウェアをダウンロードさせて機密情報や個人情報を流出させる。
暗号資産業界ではきわめて一般的なもので、ウォレットに対するリクエストの発信元を確認しなかったり、オリジナルを模倣した偽のアプリケーションをダウンロードしてしまう可能性がある。
ブロックチェーンデータによると、キューバン氏のウォレットからは、米ドルにペッグされたステーブルコイン、ステークド・イーサリアム（sETH）、スーパーレア（RARE）、および複数のイーサリアムネームサービス（ENS）ドメインが流出した。
これらは、オンチェーンデータをチェックしているX（旧Twitter）ユーザーの@WazzCrypto氏が最初に伝えた。
その後、キューバン氏はこれらの取引について警告を受けたようだ。ウォレットにログインして暗号資産をコインベース（Coinbase）に移し、250万ドル（約3億6200万円）以上のポリゴン（MATIC）を何とか確保した。
今回のフィッシング攻撃は、恐らくメタマスクの偽のアプリケーションをダウンロードしたことが原因とキューバン氏はDLNewsに語っている。
この数週間のうちに、フィッシング攻撃にあった著名人は2人目。
9月上旬、イーサリアム共同創設者ヴィタリック・ブテリン氏のXのアカウントがフィッシング攻撃でハッキングされた。ブテリン氏自身は資産を失うことはなかったようだが、ユーザーは不正なリンク（ブテリン氏が承認したように見せかけたリンク）に暗号資産を送り、合計約70万ドル（約1億円）を失った。
｜翻訳：清水マキ
｜編集：増田隆幸
｜画像：Shutterstock
｜原文：Mark Cuban Loses Nearly $1M to Crypto Scam
