テザー社、AI参入──NvidiaのGPU、600億円超相当を購入

ステーブルコイン発行を手がけるテザー(Tether)社がAI(人工知能)に参入した。

グループ会社のDamoonを通じて、ビットコイン(BTC)マイニング事業者でデータクラウドプロバイダーのノーザン・データ・グループ(Northen Data Group:NB2)を買収、米半導体大手エヌビディア(Nvidia)のGPU(グラフィック・プロセッシング・ユニット)約4億ユーロ(4億2700万ドル、約620億円・1ドル145円換算)相当を購入したと21日、プレスリリースで発表した。

GPUはノーザン・データのクラウドサービス「Taiga Cloud」を通じて、第4四半期後半からユーザーに提供される予定だ。

時価総額約830億ドル(約12兆円)を誇るNo.1ステーブルコイン「テザー(USDT)」を発行するテザー社は、新規事業への投資を続けている。同社は今年、南米ウルグアイでのビットコインマイニングや、米ジョージア州を拠点とする決済処理業者などに投資している。

裏付け資産に影響しない

テザー社は長年、ステーブルコインの準備金に関する不透明性、投資や融資の手法について業界内で批判されている。

ノーザン・データは、暗号資産マイニングからAI関連のクラウドサービスの提供へ事業を多角化している。

「ノーザン・データ・グループへの投資は新たな技術フロンティアへの挑戦を意味するものであり、大いに期待している」とテザー社のCTO(最高技術責任者)パオロ・アルディーノ(Paolo Ardoino)氏はリリースで述べた。

また今回の投資は、USDTの裏付け資産に影響を与えるものではないとテザー社は述べている。

|翻訳:清水マキ
|編集:増田隆幸
|画像:テザー社のCTO、パオロ・アルドイノ氏(Twitter/Bitfinex, modified by CoinDesk)
|原文:Stablecoin Issuer Tether Ventures Into AI With Northern Data in $427M Nvidia Chip Splurge