Google Cloud、BigQueryにポリゴンなど11ネットワークを追加

Googleのクラウドコンピューティング事業「Google Cloud」はブロックチェーンの取り組みを拡大しており、公開データセット向けの「BigQuery」プログラムにポリゴン(Polygon)、オプティミズム(Optimism)、ポルカドット(Polkadot)など11のネットワークを追加した。

Google Cloudは2018年2月に初めて、ビットコインブロックチェーンのデータがBigQueryを通じて探索可能であることを発表する投稿を公開した。それ以来、イーサリアム(Ethereum)、ライトコイン(itecoin)、ドージコイン(Dogecoin)など10のネットワークが追加された。

オフチェーンプロバイダーから履歴データを取得

BigQueryのウェブサイトによると、BigQueryは「サーバーレスでコスト効率の高いエンタープライズ向けデータウェアハウス」であり、「さまざまなコーディングスキルの実務者向けに設計」されている。

Google Cloudによると、主な利点は、ユーザーがブロックチェーンに直接クエリを実行するよりも速く、オフチェーンプロバイダーから履歴データを取得できる可能性があることだ。

ブロックチェーンの取り組みを拡大

今回の発表は、業界が依然として「暗号資産の冬」と呼ばれる市場の低迷に陥っているにもかかわらず、Google Cloudがブロックチェーンの取り組みを拡大すると表明した中で行われた。

Google CloudのWeb3担当グローバル責任者であるジェームズ・トロマンス(James Tromans)氏は先々週CoinDesk TVとのインタビューで、「我々は過去18カ月間この分野に投資し、採用を続け、事業開発と市場開拓チームだけでなく製品やエンジニアリング能力も成長し続けている」とし、「我々は、ただの『夜逃げしそうな会社』ではなく、うまくいっているときにだけ参入するわけではないことを本当に示し始めている」と述べた。

アバランチ、アービトラム、NEARなども追加

BigQueryプログラムに追加された他のブロックチェーンには、アバランチ(Avalanche)、アービトラム(Arbitrum)、クロノス(Cronos)、イーサリアムのテストネットワークであるゴエリ(Goerli)、ファントム(Fantom)のオペラ(Opera)、ニア(NEAR)、トロン(Tron)がある。

Google Cloudはさらに、ビットコインネットワークでNFTを生成する方法として今年爆発的に人気が高まったオーディナルズ(Ordinals)プロジェクトに対応することで、ビットコインのBigQueryのデータセットを改善すると発表した。

履歴データの探索や短時間での報告が可能

Google Cloudによると、BigQueryプログラムはブロックチェーンの履歴データを探索に利用できるようにするものであり、「台帳に保存された特定の、または集約された資金の流れについての短時間での報告」に関して基盤となるネットワークの能力が限られていることを克服するよう設計されているという。

また、より多くのブロックチェーンに対応するようこのプログラムを拡張することで、「マルチチェーンのメタ分析や従来の財務記録処理システムとの統合」も可能になったとされている。

プレスリリースによると、ブロックチェーンの財団やWeb3分析会社、開発者、顧客は「暗号資産のランドスケープ全体をより包括的に把握し、より多くのチェーンに対してクエリを実行できること」を求めているという。

データクエリは、3つの特定のブロックチェーン全体で発行されたNFTの数やネットワーク間の料金比較、広く普及しているイーサリアム・バーチャル・マシン(EVM)プログラミング環境と互換性のあるチェーン上にあるアクティブなウォレットの数に焦点を当てる可能性がある。

|翻訳・編集:林理南
|画像:Shutterstock
|原文:Google Cloud Pushes Deeper Into Blockchain Data, Adding 11 Networks Including Polygon