ビットコイン上場投資信託(ETF)の承認に関する米証券取引委員会(SEC)の懸念に対処するための措置を市場は講じてきたが、それでも尚「やり残した課題がある」と同委員長は述べた。
米証券取引委員会のジェイ・クレイトン(Jay Clayton )委員長は、2019年9月9日にCNBCのインタビューで、ビットコインETFのローンチ承認について、懸念は残るものの仮想通貨分野での「進展が見られる」と述べた。
昨年11月、同委員長は、カストディ業務の運営方法などの問題とともに、価格操作に関する懸念が承認に向けた主な障害だと述べた。
2019年9月9日(現地時間)、クレイトン委員長は再びこうした懸念を呈し、次のように述べた。
「さらに難しい問題は、大部分は規制されていない取引所で取引されていることを考えると、目の前の価格が重大な操作によるものでないとどう確証できるかということだ。商品が適切なものであると我々が納得できるよう、こうした難しい質問に答えていただく必要があった」
SECの質問は「些末な問題ではない」と同委員長は付け加えた。
SEC承認なるか、10月中旬に注目
同発言は、ビットコインETFに関する2つの申請に対してSECが可否を判断することが見込まれた時期の数週間前になされたものである。
NYSEアーカ取引所(NYSE Arca)に申請を出したビットワイズ・アセットマネジメント(Bitwise Asset Management)は、過去1年間に多数の報告書を発表し、かかる商品を十分にサポートできるほど市場は成熟していることをSECに納得させようとしてきた。
ヴァンエック(VanEck)とソリッドX(SolidX)は、シカゴ・オプション取引所の子会社Cboe BZX取引所に別の申請をしている。これは2018年になされ、SEC承認ビットコインETFの第1号になる有力候補と目されていたが、2019年初めに政府閉鎖が長引いた際に取り下げられ、その後再申請された。
SECは両者の申請に関する決定を延期したが、最終期限はビットワイズが10月13日(現地時間)、ヴァンエック・ソリッドXが10月18日(現地時間)となっている。
ヴァンエックは、ETFの承認を待つ間、SEC規則の下での免除を利用して、有資格の機関投資家にヴァンエック・ソリッドX・ビットコイン・トラストの提供を始めている。
先週発表されたこの商品はリテール販売されないが(従ってETFではない)、ヴァンエックがETFの構築を望んでいるのと同じトラスト由来のものである。
翻訳:新井朝子
編集:T. Minamoto
写真:Jay Clayton image via CoinDesk archives
原文:SEC Chair Clayton: Would-Be Bitcoin ETFs Have ‘Work Left to Be Done’