- 下院指導部の多数党院内幹事である共和党のトム・エマー氏を含む下院金融サービス委員会の委員4名は、SECに対してETF申請の承認を進めるよう求めており、今週の公聴会でSECのゲンスラー委員長にその件について質問する機会がある。
- グレイスケールの現物ビットコインETF申請を却下するという決定をめぐる法廷闘争でSECが敗訴したことを受け、業界は規制当局の行動を待っている。
先物ETFと「区別がつかない」
超党派の議員グループは26日、米証券取引委員会(SEC)のゲーリー・ゲンスラー(Gary Gensler)委員長に宛てた書簡の中で、SECは裁判所の意見に耳を傾け、ビットコインETF(上場投資信託)の承認を阻止するための取り組みを放棄すべきだと主張した。
この書簡は、27日に予定されているゲンスラー委員長の下院金融サービス委員会公聴会への出席に先だって委員4人が出したもの。委員らは、現物ビットコインETFはSECがすでに承認している先物ETFと「区別がつかない」とし、SECはフィデリティ(Fidelity)や世界最大の資産運用会社ブラックロック(BlackRock)傘下のiShares、グレイスケール・インベストメンツ(Grayscale Investments)など、SECの承認を求める申請者を承認すべきだと主張した。
米控訴裁がSECに再考を指示
書簡を出したのは、共和党のマイク・フラッド(Mike Flood)議員とトム・エマー(Tom Emmer)議員、民主党のワイリー・ニッケル(Wiley Nickel)議員とリッチー・トーレス(Ritchie Torres)議員。4人は書簡で、「SECの現在の姿勢は今後は筋道が立たない」とし、「控訴裁判所の判決を受けて、一貫性のない差別的な基準に基づいてそうした申請を拒否し続ける理由はない」と主張した。
米連邦控訴裁判所の判事は先月、SECに対し、これらの申請に対する見解を再考するよう指示した。ネオミ・ラオ(Neomi Rao)判事は、グレイスケールの事案におけるSECの却下は「恣意的かつ気まぐれ」だったと指摘した。
議員らはSECに対し、未処理の申請を「迅速に」承認するよう求めた。27日に下院金融サービス委員会で開かれるSECの監督をめぐる公聴会では、このテーマについてゲンスラー委員長に質問する機会がある。
ETFは証券口座を通じて簡単に取引できるように設計されているため、ビットコインETFによって投資家が暗号資産市場に資金を投入するのがはるかに簡単になる可能性がある。
エマー議員は多数党院内幹事として下院指導部のメンバーであり、フラッド議員とトーレス議員は下院ブロックチェーン議連のメンバーである。
|翻訳・編集:林理南
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|原文:U.S. House Lawmakers Push SEC’s Gensler to Approve Spot Bitcoin ETF ‘Immediately’