月足は12か月移動平均線が鍵
ビットコインの先月8月の月足は8.9%下落し、2ヶ月連続の陰線を記録しました。今月はこれまで3.3%上昇しており、陽線となっています。一方、今月はここ3ヶ月間の安値を更新し、370万円を割り込む動きも見られ、売りが強い状況です。月足は1年間の移動平均線となる12EMAを上回っていますが、今月は為替市場の円安が後押しし、移動平均線の上位で推移しています。対ドルのチャートの月足では、12EMAを下回っており、弱気傾向が色濃く出ています。長期で見ると7月の高値450万円から足元のサポートである360万円の間で月足は推移しています。
週足は高値を切り下げる形に
今月の週足は1週目と2週目に陽線が記録され、底堅い動きを見せました。一方、3週目に400万円をタッチした後に上値が重くなりました。3週目は高値から売られ、上髭を付けた陰線となりました。8月4週に記録した高値410万円には届かず、高値を切り下げる動きとなりました。今週は小幅な値動きに止まっており、2ヶ月移動平均線の8EMAを下回っており、弱気なチャートになっています。
日足は90日移動平均線の動向に注目
日足チャートは現在、30日移動平均線(30EMA:青)近辺で推移しています。価格は現在390万円後半から400万円近辺で取引されています。90日移動平均線(90EMA:緑)を下回っており、中期的には弱気なチャートとなっています。日足は9月の始めに200日移動平均線(200EMA:赤)を終値ベースで下回りましたが、買い戻される動きとなりました。次に200EMAを割り込むと耐えられない可能性が高いため、下落方向への動きが加速するでしょう。足元で日足が90EMAを下回った水準で推移している間は、弱気な相場状態にあると言えます。
伝統市場ではビットコイン相場に逆風の動き
上記はアメリカの長期金利(10年物)の動きです。長期金利は上昇傾向が強くなっており、現在は4.5%を上回った水準となっています。アメリカのインフレが長期化するとの見込みから金利の上昇に繋がっています。金利がつかないビットコインへの投資を抑制する効果があります。長期金利が高い水準を維持している間は、ビットコイン相場の上値が重くなることが予想されます。
アメリカの主要株式インデックスであるS&P500やナスダックも長期金利上昇の影響を受けており、足元で下落傾向にあります。どちらのインデックスも2週間移動平均線の下位で推移し、ここ3ヶ月間の安値圏で推移しています。株式市場とビットコインの値動きは相関性があり、株式市場の冴えない値動きはビットコインにも波及する可能性があります。金利動向や株式市場は、足元で投資資金がビットコインのようなリスク資産に流入しづらい地合いであることを示唆しています。
|編集:CoinDesk JAPAN編集部
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