金ETFと同様に、ビットコインETFは、より幅広い投資家がビットコインへのエクスポージャーを得ることをきわめて簡単にする。投資家がビットコインを直接購入して保管する必要がなくなるからだ。この点の難しさは、初期の投資家のやる気を削ぐことはなかったが、多くの投資家にとっては、複雑で困難なプロセスとなり得る(例えば、祖父母にコールドウォレットでの保管のプロセスを説明することを想像してほしい)──今週公開したコラムや分析記事、インタビューなどから、週末に読みたい10本を厳選。
ビットコイン現物ETFの行方を占う格好の前例「金ETF」
私はちょうど遅めの夏休みから戻ったところで、暗号資産市場全体の年初からのパフォーマンスをざっと振り返るには良い機会だろう。
全体として、ビットコイン(BTC)はCoinDesk Markets Index(CMI) が示すように、明らかに2023年のムードをリードしており、過去数カ月間の幅広い暗号資産(仮想通貨)市場を動かしたニュースの大半は、現在進行中のビットコイン現物ETF(上場投資信託)実現に向けた壮大なストーリーの中に位置付けられるように思う。…続きを読む
ビットコインETF承認に注目が集まるなか、イーサリアム(とETHE)も忘れずに
裁判所は先月、グレイスケール・ビットコイン・トラスト(GBTC)をより魅力的なETF(上場投資信託)に転換することを求める申請を拒否した米証券取引委員会(SEC)に対して、決定を見直すよう命じた。この判決を受けて、多くのアナリストは近い将来、ビットコインETFが承認されると予想。ブルームバーグのアナリストは、今年中に承認される確率を75%としている。…続きを読む
NFTは終わっていない:大手メディアの扱いに疑問
雑誌『ローリングストーン』のWebサイト「Rollingstone.com」は先日、NFTの終わりを告げる記事で注目を集めた。
センセーショナルに『Your NFTs Are Actually – Finally – Totally Worthless』(あなたのNFTは実際に、ついに、まったく価値がなくなった)と題された記事は、金融専門家コミュニティ「dappGambl」による新しい調査結果を取り上げた、厳しい内容の記事。そして、多くの人の神経を逆撫ですることになった。…続きを読む
「Nouns DAO」40億円を失ったフォーク騒動:クリプト理想家と貪欲なアービトラージ投資家が生んだ混乱
分散型ガバナンスに値札を付けられるか? Nouns DAOにとって、その答えは2700万ドル(約39億円、1ドル145円換算)相当の暗号資産(仮想通貨)だった。
DAOは企業組織の暗号資産バージョンと言えるが、より民主的かつ(理想的に、そして理論的には)リーダーは存在しない。DAOの暗号資産(Nouns DAOの場合はNFT)を購入した人は誰でも、グループがどのように資金を使い、意思決定を行うかについて投票できる。しかし、これらのグループのルールは常に進化しており、突然、厄介な事態に陥ることもある。…続きを読む
シバリウムの波瀾万丈の船出とSHIBトークンの将来性:マネックスクリプトバンク格付け評価 注目ニュース
2023年1月に柴犬コインの開発チームによってSHIBトークンを間接的な手数料として使用するイーサリアムのレイヤー2ソリューション「Shibarium(シバリウム)」の概要が発表された。SHIBエコシステムの分散型取引所「ShibaSwap(シバスワップ)」のガバナンストークンであるBONEトークンをシバリウムのネイティブトークンとして移管し、同トークンがガス代として使用される同量分のSHIBトークンを流通量から減らす。
要はシバリウムが使われるほどSHIBトークンの供給量が減って価値が向上する仕組みである。プロジェクトの関係者はシバリウムを足がかりにDeFiおよびNFTの分野でSHIBトークンが活用されることを狙いとしているという。…続きを読む
マスアダプションの障害はUXではなくPMF(プロダクトマーケットフィット)
暗号資産(仮想通貨)の普及促進に関する議論では、UX(ユーザーエクスペリエンス)の改善や向上に焦点があてられることが多い。一般的な考え方は次のようなものだ。
Web3プロダクトはUXが遅れており、オンボーディング(ユーザーの参加)には複数の摩擦要因があり、技術的なことを理解するためには学習が不可欠。Web3には、より広範な普及への扉を開けるシームレスなアプリケーションのエクスペリエンス(体験)が欠けている。
UXの改善・向上は確かに重要だが、それよりも私は「人々が望むものを開発すること」の方がより重要かつ緊急の課題と考えている。Web3が抱えているのは、UXの問題ではなくプロダクトマーケットフィットの問題だ。…続きを読む
ステーキングの現状:イーサリアム「Merge」から1年で5つの変化
最大のスマートコントラクト・ブロックチェーンであるイーサリアムが、ビットコインなどのブロックチェーンで使用されているエネルギーを大量に消費する古いプルーフ・オブ・ワーク(PoW)モデルをプルーフ・オブ・ステーク(PoS)に切り替えてから1年あまりが経過した。
「Merge(マージ)」と呼ばれるアップグレードによって、ブロックチェーンにトランザクションのブロックを追加・承認する新しい方法「ステーキング」が導入された。…続きを読む
イーサリアムのレイヤー2エコノミクスを理解する
暗号資産(仮想通貨)は、世界中で新しい投資可能な資産クラスを生み出そうとしている。そしてそれは、インターネット上のあらゆるものの仕組みを徐々に変えていくだろう。
新たな資産クラスの誕生とともに、新たなビジネスモデル分析も生まれるだろう。評価基準としての新しいKPI、指標、ベンチマーク。新しいレポーティングと監査の仕組み。新しいデータプロバイダー。そして、新しいバイサイドとセルサイドのリサーチ体制。…続きを読む
アメリカが試すことすら許されていない(かもしれない)経済的仮説
予測市場のKalshiが、またしても米規制当局の妨害を受けている。注目されていた決定によると、米商品先物取引委員会(CFTC)は、このライセンス取得済みのベッティング(賭け)市場が、今回の選挙における(あるいはそれ以外でも)下院と上院の将来の構成について賭けるチャンスをユーザーに提供することを許可しない。
どうやら私たちは、民主主義の将来で賭けをすることはできないようだ。…続きを読む
IEO市場の健全化と発展を目指し、制度改革の方向性の初期案公表:JCBA
日本暗号資産ビジネス協会(JCBA)は、ICO・IEO部会が中心となって作成し、日本暗号資産取引業協会(JVCEA)に提出した「国内IEO(Initial Exchange Offering)制度改革の方向性に関する初期案」を9月26日、公表した。
IEO(Initial Exchange Offering)とは、暗号資産(仮想通貨)交換業者、いわゆる暗号資産取引所を介してトークンセール(暗号資産の販売)を行う資金調達手段。金融庁監督下の暗号資産交換業者がプロジェクトの実現可能性について審査および継続的なモニタリングを行うことで、信頼性の向上が図られる制度となっている。…続きを読む
|編集:CoinDesk JAPAN編集部