ビットコイン、安全な避難場所として「静かな強気市場」に:アナリストら
  • ビットコインは、2万8000ドルを超える上昇は長続きしないことが判明し、2万7300ドルまで下落した。
  • ByteTreeの最高投資責任者は、ビットコインは株式・米国債市場の暴落に反して強気相場にあると述べた。

ビットコイン(BTC)はアメリカ時間の5日午前に一時2万8000ドル(約420万円、1ドル150円換算)を超えて急騰したが、上昇を機に売り込まれ、2万7300ドルまで下落した。

本記事執筆時点では2万7500ドルで推移しており、過去24時間では横ばいだったが、依然として他の暗号資産よりは良好だ。同じ期間で見ると、暗号資産市場全体のパフォーマンスを表すCoinDesk Market Index(CMI)は0.3%、イーサリアム(ETH)は1.8%それぞれ下落した。

来年初めにかけて持続的な上昇を予想

Lednの最高投資責任者(CIO)であるジョン・グローバー(John Glover)氏はCoinDeskに対し、「短期的には、市場はこの上昇相場で売り込まれると予想している」とし、「デジタル資産に新たな資金が流入しなければ、この上昇は短命なものになると考えている」と述べた。

グローバー氏は、ビットコインの調整は終わったように見えるため、今年この後から来年初めにかけてより持続的な上昇が実現すると予想。「技術的には売りは完了しており、現在は2024年第2四半期に向けた持続的な上昇を予想しているため、ビットコイン価格は3カ月後には現在よりも高くなるだろうと考えている」と述べた。

金利急騰で安全な避難場所に

投資調査会社ByteTreeは5日のレポートで、ビットコイン市場のシグナルを中立から強気へと引き上げた。暗号資産の最近の値動きは、従来の金融市場が厳しい時期に入っていることに反して、株式・債券市場の暴落からのセーフヘイブン(安全な避難場所)となっている。

ByteTreeの最高投資責任者であるチャーリー・モリス(Charlie Morris)氏はレポートの中で、「特に債券市場の危機と比較すると、ビットコイン先物は良好に見える」とし、「ここはアメリカの債券から逃れられる真のセーフヘイブンだ」と述べた。

モリス氏は、債券利回りの急上昇が従来の市場に大混乱をもたらしている現在、ビットコインが米株式市場を上回っていると指摘。金利がピークに達し、債券の下落が終われば、ビットコインは「レースに出発する」だろうと語った。

モリス氏は、直近のビットコインの調整の動きの中でも2022年5月から2023年3月までに抵抗線になっていた重要な2万5000ドルの水準は上回っていた点を挙げ、「おそらくそうなるだろうが、その2万5000ドル水準を維持できれば、ビットコインは本当に強気市場になるだろう。ただし、静かなものではある」と述べた。

FXブローカーOANDAの南北アメリカ担当シニア・マーケットアナリストであるエドワード・モヤ(Edward Moya)氏は、ビットコインは利回り上昇の影響を克服しているものの、依然として「2万6000ドルから3万ドルのレンジに閉じ込められている」と指摘。「暗号資産投資家がより楽観的になることを妨げているのは、債券市場の下落が止まらず、それが多くの暗号資産スタートアップの活動を損なうことだ」と説明した。

|翻訳・編集:林理南
|画像:CoinDesk
|原文:Bitcoin Enters ‘Quiet Bull Market’ as Safe Haven from Bond Market Turmoil, Analyst Says