FTXを攻撃したハッカーに利用された取引所、一時「メンテナンスモード」に移行

分散型取引所（DEX）のTHORSwapは10月6日、過去数日間に不正にリンクされた資金がプラットフォームを通過したことを受け、「メンテナンスモード」に移行すると発表した。

THORSwapの開発者は、米CoinDeskへのメッセージの中で、チームは「あらゆる犯罪行為に断固反対する」と述べた。

「状況を慎重に評価し、アドバイザー、法律顧問、法執行機関と協議した結果、THORSwapのインターフェースを一時的にメンテナンスモードに移行することを決定した」とTHORSwapの開発者はXへの投稿で述べた。

「この措置は、潜在的な不正行為を迅速に抑制するために取られた。THORSwapは、プラットフォームの継続的なセキュリティと完全性を確保するため、より恒久的で堅牢なソリューションが実装されるまで、このモードを維持する」と彼らは付け加えた。

この措置により、取引業務は事実上休止となる。しかし、融資、借入、ステーキングなどのサービスはすべて完全に稼働しているという。

THORSwapは、ユーザーが異なるブロックチェーン間でトークンを自由に取引できるネットワーク、ソーチェーン（THORChain）上で稼働している。

2022年11月、FTXとその関連企業が破産を申請した数時間後、未知の人物がさまざまなウォレットから6億ドル（約900億円、1ドル=150円換算）もの資金を流出させることに成功した。

先週、身元不明のハッカーがTHORSwapを含むさまざまなプラットフォームを使って1万5000以上のイーサリアム（ETH）を移動させることに成功した。FTXの創設者であり元最高経営責任者であるサム・バンクマン-フリード（Sam Bankman-Fried）の裁判の直前のこの資金移動は、昨年の取引所崩壊にまつわる進行中の謎の一つを深めるものだ。

｜翻訳：CoinDesk JAPAN
｜編集：井上俊彦
｜画像：Shutterstock
｜原文：THORSwap Pauses Platform After Series of FTX Hack-Linked Trades