バイナンス(Binance)は長い間、取引量で世界最大の暗号通貨(仮想通貨)取引所だった。しかし、パリに拠点を置く暗号資産市場調査企業カイコ(Kaiko)が追跡したデータによると、10月16日にバイナンスでビットコイン(BTC)を素早く売買しようとするトレーダーは、クラーケン(Kraken)やコインベース(Coinbase)に比べて相対的に不利な状況にあった。
バイナンスにおける0.1%のアスクデプス(バイサイドの流動性の指標)は、ブラックロック(BlackRock)のスポット型上場投資信託(ETF)の承認に関する虚偽の情報がソーシャルメディアに出回った後、ボラティリティが爆発したため、100BTCからわずか1.2BTC(3万ドル、約450万円)に暴落した。ビットコインは、この噂で7.5%急騰し3万ドルまで上昇したが、ブラックロックがこの報道を否定した後に下落した。
0.1%アスクデプスとは、買値と売値の中間値または平均値の0.1%以内にある未決済の買い注文の数を指す。アスクとは売り手が売る用意のある価格であり、ビッドとは買い手が買う用意のある価格を言う。
ビッドとアスクのデプス(深さ)が深ければ深いほど、安定した価格で大量の売買注文を執行することが容易になり、スリッページ(取引が発注される予定価格と実際に取引が成立する価格との差)が小さくなる。
0.1%デプスはOKXとバイビット(Bybit)では2BTCまで下がり、主要取引所の平均アスクも95BTCを下回った。
広範な流動性の低下により、匿名トレーダーのexitpumpやOmzを含む複数の市場参加者がスリッページにより損失を被った。スリッページが20%に達したトレーダーもいた。
上のチャートは、流動性が大きく低下している間、クラーケンとコインベースがバイナンスや他の取引所をアウトパフォームしたことを示している。
|翻訳:CoinDesk JAPAN
|編集:井上俊彦
|画像:Kaiko
|原文:Bitcoin Liquidity on Binance Plummeted During the ETF Rumor-Induced Market Rollercoaster: Kaiko