ビットコイン(BTC)は、ゴールドのような伝統的な金利に敏感な資産から強気のヒントを得て、上昇を続けている。
米CoinDeskのデータによると、この時価総額で最大の暗号資産(仮想通貨)は10月23日のアジア時間中に3万797ドルまで上昇し、7月15日以来の高値を記録した。
価格は月間で14%上昇しており、ゴールドの上昇率は6.7%とはるかに低い。しかし、イスラエルとハマスで紛争に加え、連邦準備制度理事会(FRB)の引き締めサイクルが終了するとの思惑が続き、インフレ体制が到来することを示唆したため、金はビットコインより1週間早く買われていた。
アンバーデータ(Amberdata)のデリバティブ部門ディレクター、グレッグ・マガディーニ(Greg Magadini)氏は「現時点で金利がマクロの最大の変動要因となっているが、驚くべきことに、金などの金利に敏感な資産も強気の勢いを見せている…これはビットコインにとって良い兆候だ」と電子メールで述べた。
マガディーニ氏は、戦争への支出は伝統的にインフレを引き起こすものであり、同時に、FRBはアメリカ経済が堅調な時期に利上げの一時停止をほのめかしていると付け加えた。これは、スポットの上場投資信託(ETF)の楽観論を考慮すると、金とBTCの上昇に有利だ。
「BTCは、完全なポータビリティ、インフレヘッジ、政府にとらわれない資産保全を考えると、興味深い資産であることに変わりはない。BTCのETFとリップルの訴訟をめぐる楽観論を組み合わせると、全体として、これはBTCにとって非常に強気な展開であると私には思える」とマガディーニ氏は指摘する。
ブロックウェア・ソリューションズ(Blockware Solutions)のアナリストも同様の意見を表明し、ビットコインのスポット価格を追跡するETFの承認の可能性が上昇の原因だとしている。
「経済的、地政学的な不確実性の時代にビットコインネットワークが提供する救命いかだを投資家が求め、スポットETFが承認されるまでの間、BTCの将来を推測しているため、プライスアクションは非常に建設的に振る舞っている」とブロックウェアのアナリストは指摘した。
Firmwide Researchの責任者であるアレックス・ソーン(Alex Thorn)氏によると、オプションのマーケットメイカーのポジションの取り方は、爆発的に上昇する可能性を示しているという。
ソーン氏によると、マーケットメイカーはショート・ガンマのエクスポージャーを保有しており、市場の動きに合わせて高値で買って安値で売らざるを得なくなる。 全体的なエクスポージャーを調整して中立に戻すためにこれを行うため、意図せずして価格のボラティリティを高めているという。
ガンマとはオプションのリスク指標の一つで、原資産の変化に対するオプション価格のデルタまたは感応度の変化率を指す。マーケットメーカーのヘッジ活動の性質は、ガンマ・エクスポージャーに左右される。
ビットコインのオプションマーケットメイカーは、BTCスポット価格の上昇に伴い、ガンマのショートを増やしている。ガンマをショートし、スポットが上昇すると、デルタ・ニュートラルを維持するためにスポットを買い戻す必要がある。これは、短期的な上昇の爆発力を増幅させるだろう」とソーン氏はXで述べた。
|翻訳:CoinDesk JAPAN
|編集:井上俊彦
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|原文:Bitcoin Eyes $31K as Gold Offers Bullish Cues