分散型取引所(DEX)ユニスワップ(Uniswap)のクリエイターが実験的に公開した最初のコインは、現在、わずか4.4トークンの供給量で、1トークンあたり300万ドル(約4億5000万円)以上(これはタイプミスではない)で取引されている。
オリジナルのトークンは、ユニスワップのクリエイターであるヘイデン・アダムス(Hayden Adams)氏によって2019年にリリースされた。このプラットフォームでシードされ、取引された最初のコインは、価値を保持することを意図したものではなく、その後すぐに供給の大部分が破棄されたが、暗号資産(仮想通貨)トレーダーのグループが10月初め、生き残ったトークンの一部を偶然発見した。彼らは市場で入手可能な4.4トークンをすべて取得し、ヘイコイン(HAY)と名付けた。
破壊されなかった残りのトークンはアダムス氏が所有するウォレットに保管されていた。供給量が限られていたため、オープンマーケットで取引されたコインの価格は取引直後に数十万ドルにまで上昇し、時価総額は約1000万ドル(約15億円)になった。
しかし、アダムス氏は10月21日にトークンをバーンし、総供給量の99.99%を破壊した。 バーンとは、誰にも管理されていないアドレスにトークンを送信することで、トークンを供給から永久に削除することだ。
「5年前、ユニスワップv1のリリース前に、私はテストに使用するためにヘイコインと呼ばれるトークンをデプロイした」と彼はXに投稿した。「これはガスが非常に安く、メインネットをテストネットとして使用できた頃のことだ。v1のリリース後、総供給量のごく一部を使用して小さなテスト流動性プールを作成し、残りをウォレットに残した。 また、ユニスワップv1からv2への移行コントラクトをテストするためにも使用した」。
「何年にもわたって、それに気づいた人々が、ジョークとして、そしてその目新しさのためにそれを購入した。 しかし、結局のところ、人々がミームしたり投機したりしているトークンのほぼ全供給量(約 99.99%)を自分が所有することに抵抗があった」と彼は書いている。
アダムス氏の行動は、 初期のユニスワップの名残りとして残っているのがこの4.4トークンのみであることを意味しており、一部の暗号資産投資家はデジタル遺物のようなノスタルジックな価値を見出すだろう。実際、価格は10月22日には440万ドル(約6億6000万円)まで急騰し、23日には300万ドルの大台に落ち着いた。
トレーダーは他の暗号資産と同様に、このトークンの一部を購入することができるが、アダムス氏はまったく感銘を受けていない。
「はっきり言っておくが、私は今後これに関与するつもりはない。ウォレットの中のHAYはすべてバーンしてしまった。それについて推測するのは愚かなことだ」とアダムス氏は書いている。
|翻訳:CoinDesk JAPAN
|編集:井上俊彦
|画像:DEXTools
|原文:‘First Uniswap Token’ HayCoin Price Jumps to $3M Per Token