暗号資産(仮想通貨)ウォレットメーカーLedgerの「Recover」オプションが利用可能になり、一部のユーザーから改めて批判されている。
数カ月前にこのサービスが初めて公に議論されたとき、プライバシーとセキュリティに対するLedgerの公約を損なうものだする意見が出ていた。
パスカル・ゴティエCEOは24日にX(旧ツイッター)で、ユーザーのリカバリシードフレーズのバックアップを提供する「Recover」が、Ledgerの最も人気の高いウォレット「Nano X」で利用できるようになったと発表した。
シードフレーズを分割して共有
シードフレーズは、暗号資産ウォレットへのアクセスを回復させるためにユーザーが覚えておかなければならない12または24の単語のランダムな文字列。ユーザーがこの文字列を忘れたり、文字列を記載したメモをなくしたりした場合、ウォレット内のデジタル資産は回復不可能になる。
そのため、暗号資産ウォレットメーカーはシードフレーズをバックアップするさまざまな手段を提供しているが、Ledgerのバックアップ手段は5月に最初に発表された際に物議を醸した。Recoveryでは、ユーザーの秘密鍵が暗号化され、複製され、3つに分割される。その3つはLedger、暗号セキュリティ会社Coincover、独立したバックアップサービスプロバイダーの3社がそれぞれ保有することになる。
シードフレーズの紛失リスクは高い
ゴティエCEOがこのオプションの有料サービスを発表したことに対し、今週Xユーザーから改めて非難が起き、Ledgerが秘密鍵をより脆弱にするために顧客に支払いを求めているという主張が繰り返された。
しかし、ゴティエCEOは、このサービスは、ランダムな単語列を覚えておくかどうかで自分の暗号資産が左右されることがないようにしたいユーザーの需要に応えていると主張。「はっきりさせよう。シークレット・リカバリー・フレーズを紛失したためにデジタル資産を失った人はあまりにも多い」とし、「このリスクにより、暗号資産が使われないようになり、もちろん自己保管もされないようになる」と述べた。
|翻訳・編集:林理南
|画像:Amjith S/Unsplash
|原文:Crypto Wallet Maker Ledger Officially Rolls Out ‘Recover,’ Unleashing Fresh Round of Snark