ビットコイン（BTC）のスポット上場投資信託（ETF）は、発行初年度に少なくとも144億ドル（約2兆1600億円、1ドル＝150円換算）の資金を呼び込む可能性があると、暗号資産（仮想通貨）ファンドのギャラクシー・デジタル（Galaxy Digital）は10月24日の調査ノートで述べた。
ETFは210億ドル（約3兆1500億円）以上の価値を保有する信託や先物といった現在提供されている商品と比較して、投資家にとってより良い投資手段となり得ると同ファンドは述べている。2年目には270億ドル（約4兆円）、3年目には390億ドル（約5兆8500億円）の資金流入が見込まれるという。
「ビットコインETFが承認された場合、アメリカのウェルスマネジメント業界から最もアクセスしやすい直接的な市場となる可能性が高い」とノートには記されている。「2023年10月現在、業界で管理されている資産は、ブローカー・ディーラーが27兆ドル（約4050兆円）、銀行が11兆ドル（約1650兆円）、投資顧問が9兆ドル（約1350兆円）で合計48兆3000億ドル（約7245兆円）となっている」。
ビットコインスポットETFは、投資家が高度に規制されたパートナー、主に強力な顧客保護と投資の提供の歴史を持つ伝統的なファンドや銀行のリストを通じてビットコインへのエクスポージャーを得ることを可能にするだろう。
そして、その需要は間違いなく桁外れだ。 先週の噂だけでビットコインの価格は数時間で10％上昇し、ブラックロック（BlackRock）の提案するビットコインETFのティッカーが発見されたことで、10月23日に12％上昇した。
ギャラクシーは、このような流動性と数十億ドルの投資の価格への影響を考慮すると、資金の流入は最初の年にビットコイン価格を74％上昇させるだろうと述べた。
現在の商品に欠けているもの
ギャラクシーは、現在の投資商品には投資家にとって大きな欠点があると指摘する。高い手数料、低い流動性、トラッキングエラーなどによって、富の大部分を占める幅広い投資家層には手が届きにくくなっている。
しかし、スポットETFは、ビットコインを所有・管理することなく、ビットコインへの直接的なエクスポージャーを求める投資家に適している。
「手数料、流動性、価格追跡を通じたより大きな効率性がある」とノートには書かれている。「手数料はまだビットコインETFの申請者によって述べられていないが、ETFは一般的にヘッジファンドやクローズドエンド型ファンドに比べて低い手数料を提供しており、ETFの申請者が多いことから、競争力を維持するために手数料を低く抑えることを目指すだろう」。
現在、アメリカ証券取引委員会（SEC）が検討中のビットコインETFは12銘柄。グレイスケール（Grayscale）、21Shares（21シェアーズ）とアーク（Ark）、ブラックロック、ビットワイズ（Bitwise）、ヴァンエク（VanEck）、ウィズダムツリー（WisdomTree）、インベスコ（Invesco）、ギャラクシー、フィデリティ（Fidelity）、ヴァルキリー（Valkyrie）、グローバルX（Global X）、ハッシュデックス（Hashdex）とフランクリン（Franklin）だ。
｜翻訳：CoinDesk JAPAN
｜編集：井上俊彦
｜画像：Shutterstock
｜原文：Bitcoin Spot ETFs Could See Inflows of $14.4B in First Year, Galaxy Says
