- デリビットに上場されているビットコインとイーサリアムのオプションの想定建玉は合計で200億ドルを超えた。
- オプションへの関心の高まりは、市場の高度化を示している。
- 10月27日には、数十億ドル相当のビットコインとイーサリアムのオプションが決済される。
暗号資産(仮想通貨)オプション市場は活況を呈している。
スイスを拠点とするLaevitasが追跡したデータによると、世界最大の暗号資産オプション取引所デリビット(Deribit)のアクティブなビットコイン(BTC)とイーサリアム(ETH)のオプション契約にロックされたドル建ての想定建玉は206億4000万ドル(約3兆690億円、1ドル=150円換算)に上昇している。
この金額は、ビットコインが6万6000ドルを超えて取引された2021年11月9日に記録されたピークにほぼ匹敵する。言い換えれば、現在の建玉は契約ベースで2021年11月よりもかなり高い。
デリビットの最高商務責任者(CCO)であるルーク・ストライアース(Luuk Strijers)氏は米CoinDeskに、「このマイルストーンは、未処理の契約数のほぼ2倍で達成され、デリビットにとって実質的な勝利であるだけでなく、より広範な市場の成長と我々の顧客のオプションへの関心の高まりを示す明確な指標でもある」と語った。デリビットは世界の暗号資産オプション取引の90%を管理している。
オプションはデリバティブ契約であり、購入者に原資産を特定の期日までに所定の価格で売買する権利を与えるが、義務は負わない。コール・オプションは買う権利を、プット・オプションは売る権利を提供する。コールの買い手は暗黙のうちに市場に強気であり、プットの買い手は弱気だ。
この記録的な活況は、投資家とマーケットメーカーに結びついたオプション市場のフローが、スポット市場価格の決定においてより大きな発言力を持つことを意味する。
マーケット・メーカーは最近、ビットコインのネット・ショートガンマのエクスポージャーを保有していると言われた。彼らは、全体的なエクスポージャーをニュートラルに戻すために、暗号資産の上昇に伴ってビットコインを購入し、価格の上昇を不注意に加速させた可能性がある。BTCは2週間で30%上昇し、3万4000ドルを超えている。
10月27日の協定世界時(UTC)午後8時(日本時間28日午前5時)に、45億ドル(6750億円)相当のBTCとETHのオプション契約がデリビットで満期を迎える。月次および四半期ごとの決済は、暗号資産市場にボラティリティを注入することで知られている。
ビットコインのほとんどの建玉は、イン・ザ・マネー(権利行使をすると利益が出る状態、ITM)コール、つまりBTCの市場レートを下回る権利行使価格のコールに集中している。過去2週間、ビットコインが2万7000ドルから3万5000ドルに上昇した際、トレーダーはコールを買い占めた。
コール・オプションは、原資産の現在の市場価格がコール・オプションの権利行使価格を上回っている場合、ITMとなる。プットは、原資産価格がプットの権利行使価格より低い場合にITMと呼ばれる。
「45億ドル相当のオプションが27日に満期を迎える。これは特に高額で、最近の相場の動きにより、市場に何らかのアクションを促す可能性があるため、このうち異例の割合がイン・ザ・マネー(ITM)で期限切れになる予定だ」とストライアース氏は述べた。
|翻訳:CoinDesk JAPAN
|編集:井上俊彦
|画像:Laevitas
|原文:Bitcoin and Ether Options Activity Soars to Historic Highs of $20B Amid ETF Hype