仮想通貨取引所の評価基準を一新し、透明性の向上を狙う:CoinGecko「トラスト・スコア2.0」をリリース

市場データ収集企業、コインゲッコー(CoinGecko)は、同社の仮想通貨取引所評価企業「トラスト・スコア(Trust Score)」をアップグレードした。仮想通貨取引環境にさらなる透明性をもたらすことが狙いだ。

一新された同社の評価システムは、流動性だけではなく、より複雑な指標を用いて、世界中の仮想通貨取引所を評価する。

シンガポールで開催中のCoinDeskのカンファレンス「Invest: Asia」にて、コインゲッコーの共同創業者ボビー・オン(Bobby Ong)氏は、同社が追跡している取引所の数を18カ月前の45社から363社へと著しく増やしたと述べた。706%増だ。

コインゲッコーの共同創業者TM・リー(TM Lee)氏は「トラスト・スコア2.0のローンチは、仮想通貨取引所における透明性の推進に進展をもたらします」と、声明の中で述べ、次のように続けた。「仮想通貨取引所を総合的なデータセットに基づいてより的確に評価するために、さらに革新していくことが楽しみです」

コインゲッコーは、仮想通貨取引所の取引量偽装への対策として、2019年5月に初めて「トラスト・スコア(Trust Score)」システムを発表した。

今回のアップグレードにより、「トラスト・スコア2.0」と呼ばれるようになった同評価システムは、新たに2つの主要尺度を考慮することになる。取引所が使用しているAPIの対応範囲、そして運営規模だ。後に、推定される仮想通貨準備金と規制遵守を評価対象とすることも検討されている。

コインゲッコーが2019年9月11日(現地時間)に投稿したブログ記事によると、トラスト・スコア2.0の50%が取引所の流動性、20%がAPIの対応範囲、30%が運営規模に基づいている。

「今のところ仮想通貨準備金と規制遵守のカテゴリーは、トラスト・スコア2.0の計算には含まれていません。しかし、今後トラスト・スコアのアルゴリズムをアップデートする際に、含まれることが検討されています」と、同社はブログの中で述べている。

仮想通貨準備金の推定に関しては、大手ブロックチェーン企業のビットフューリー(Bitfury)と、規制遵守の評価の関しては、デジタル通貨関連レグテック大手のコインファーム(Coinfirm)と連携していると、コインゲッコーは明かした。

コインゲッコーは新しい評価システムに基づき、仮想通貨取引所上位5社を割り出した。その結果、バイナンス(Binance)、ビットフィネックス(Bitfinex)、ビットレックス(Bittrex)、ポロニエックス(Poloniex)、コインベース・プロ(Coinbase Pro)が挙げられた。

翻訳:山口晶子
編集:町田優太
写真:CoinGecko cofounder Bobby Ong speaks at Invest: Asia 2019, photo by Wolfie Zhao for CoinDesk
原文:CoinGecko Releases ‘Trust Score 2.0’ to Boost Crypto Exchange Transparency