CoinDeskのデータによると、先週はビットコイン(BTC)の強気の勢いが暗号資産(仮想通貨)市場全体に広がり、すべてのセクターが上昇した。
ビットコインは先週1週間で14%以上上昇し、年初来高値を更新して3万5000ドル(約525万円、1ドル150円換算)に到達。週末金曜日には3万3700ドル付近で値固めをしたが、3万5000ドルの水準を再び突破することはできなかった。ビットコインのパフォーマンスは、暗号資産市場全体のパフォーマンスを示すCoinDesk Market Index(CMI)の14%上昇とほぼ一致している。
Web3のセクターが17%以上上昇
最もパフォーマンスがよかったセクターは、Web3と分散型コンピューティングのインフラ構築とサポートを目的としたプロトコルのインデックスであるCoinDesk Computing Index(CPU)だった。CPUは、主にチェーンリンク(LINK)とフィッチAI(FET)に牽引され、17%以上の上昇を記録した。
出遅れているセクターのインデックスである、分散型金融(DeFi)のCoinDesk DeFi Index(DCF)やデジタル化のCoinDesk Digitization Index(DTZ)でさえ、先週7%以上上昇し、暗号資産市場の上昇の幅広さを浮き彫りにした。
注目すべき最もパフォーマンスの高い暗号資産には、トークンバーン後に76%上昇したミームコインのペペコイン(PEPE)、現実資産(RWA)のトークン化トレンドの恩恵を受けて44%以上上昇したチェーンリンク、金融に焦点を当てたインジェクティブ(Injective)プロトコルのネイティブトークンであるインジェクティブ(INJ)などがある。インジェクティブは、今年8月に行われたアップグレード後にすでにかなり上昇していたが、今回さらに58%上昇した。
10月の上昇傾向と大手テック企業の不振
米暗号資産取引大手のコインベース(Coinbase)のアナリストであるデビッド・ドゥオン(David Duong)氏とデビッド・ハン(David Han)氏は、米株のパフォーマンスが悲惨だったため、暗号資産の強気の1週間が際立ったと指摘した。
両氏はコインベースのレポートで、ビットコインは先週、過去3カ月と比較して標準偏差で4.3上昇したが、S&P500とナスダックは同期間に標準偏差で2.5~3.0近く下落したと指摘。「ビットコインの前向きな特異なストーリーに加えて、マクロ取引環境の悪化がこの大きな乖離の要因の一部となっている」と述べた。
投資顧問会社バイトツリー(ByteTree)の創設者であるチャーリー・モリス(Charlie Morris)氏は27日の市場レポートで、「Uptober(上昇する10月)は確かにその名に恥じない」と述べた。
モリス氏は、ビットコインと金が上昇する中でテック株の多いナスダックが低迷していることは、成長を続けるアメリカの大手テック企業から投資環境が移っていることを示していると指摘した。
モリス氏は、「大手テック企業は高く、この週の迫力に欠ける結果を受けて、このセクターはもはやプレミアム価格を正当化できるほど急速に成長しない」とし、「確かに、コストを削減する余地は十分にあったが、本当の成長はコストではなく売上からもたらされる」述べた。さらに、「時代は終わりを迎えており、テック投資家は逃げ出すべきだ」とコメントした。
|翻訳・編集:林理南
|画像:CoinDesk
|原文:Bitcoin’s 14% Weekly Gain Signals ‘End of an Era’ as Big Tech Dumps, Analyst Says