法定通貨の価値の下落や不安定な経済環境が、トルコやナイジェリアでビットコイン（BTC）価格を史上最高値に押し上げている。とはいえ、米ドルベースでは史上最高値の50%以下で推移している。
最近の価格上昇によって、ビットコインはトルコの法定通貨リラとナイジェリアの法定通貨ナイラでは史上最高値を更新した。27日朝時点、ビットコインはトルコでは96万リラ、ナイジェリアでは2740万ナイラ（NGN）となり、それぞれの法定通貨ベースで月の上昇率は約30%まで拡大した。
CoinGeckoによると、トルコとナイジェリアの暗号資産取引所では過去24時間で4000万ドル相当（約60億円、1ドル150円換算）のビットコインが取引された。この数字には、バイナンス（Binance）やコインベース（Coinbase）のようなグローバルな取引所を使った現地での取引は含まれていないと思われる。
ナイラの対米ドル相場は過去1カ月で0.45％、過去6カ月で45％下落。リラの対米ドル相場は過去1カ月で2.9％、過去6カ月で31％下落している。
IMF（国際通貨基金）によると、ナイジェリアのインフレ率は前年比25％上昇、トルコでは51％上昇となり、それぞれの通貨の購買力は大幅に低下。そのため、法定通貨の代替品とされるビットコインへの需要が高まったようだ。
トルコとナイジェリアでは、暗号資産の普及がかなり進んでいる。ブロックチェーン分析会社チェイナリシス（Chainalysis）が9月に発表したレポートでは、ナイジェリアはDeFi（分散型金融）と暗号資産取引に参加するユーザー数において、インドに次いで2番目に活発な国とされた。トルコは20カ国中12位。
アメリカでビットコイン現物ETF（上場投資信託）が承認されるとの期 待が投資家の楽観姿勢を強め、ビットコインは先週、大幅に上昇した。
｜翻訳・編集：CoinDesk JAPAN
｜画像：ビットコインはトルコ・リラ建てで史上最高値を更新（Google）
｜原文：Bitcoin Surges to All-Time Highs in Turkey and Nigeria
