イーサリアム先物ETFがスタート、次はどうなる?

イーサリアム先物ETFが10月上旬、あまり騒がれずにスタートしてから数週間が経過した。ETFは現在どのような状況にあり、投資家は暗号資産ETFのどこに注目しているのだろう。以下、3つのポイントにまとめた。

イーサリアム先物ETFに集まっている資金は少額(VettaFi、Bloomberg)

1. 予想より盛り上がらなかった…だが、わかっていた

アメリカ初のビットコイン先物ETFがスタートしたとき、インパクトは大きかった。プロシェアーズ・ビットコイン・ストラテジーETF(BITO)は2021年10月18日に発売され、2番目に取引高が多いETFとなった。BITOの取引高は初日に10億ドルを超えたが、イーサリアム先物ETF全7銘柄の10月7日の取引高はわずか700万ドル。もちろん、当時は状況が違っていた。

当時、ビットコインは6万9000ドルを超えるピークにあり、イーサリアムも同様に、4800ドルを超えるピークにあった。メインストリームの投資家は、暗号資産に対して今よりも積極的で、ビットコイン先物ETFはその波に乗ることができた。

さらに、イーサリアムの人気はビットコインよりも低い。ビットコインの市場シェアは約51%だが、イーサリアムは17%しかない。

だがイーサリアムはビットコインよりも需要が少ないとはいえ、ETFを利用して暗号資産全体をポートフォリオに組み入れたいと考えている投資家にとっては、埋めなければならない部分であることに変わりはない。

2. ビットコイン現物ETFが先行、イーサリアム現物ETFは?

投資家は何カ月も先物ETFに対する現物ETFのメリットについて耳にしてきた。ビットコイン先物ETFの主な欠点は、コストかかかり、ビットコイン現物のパフォーマンスに対して遅れる可能性があること。ビットコイン現物ETFの登場が目前に迫っている今、投資家がイーサリアム現物ETFの登場に期待することは当然だ。

ビットコイン現物ETFは、早ければ年末、遅くとも2024年初頭には承認されると見られている(2024年1月10日はアークのビットコイン現物ETFの承認審査の最終期限であり、注目すべき重要な日だ)。

先日、グレイスケールに関する判決について、SECが上訴する期限が過ぎたが、これはビットコイン現物ETFの承認にとっては良いニュースだ。

その後、ブラックロック(BlackRock)、フィデリティ(Fidelity)、アーク(Ark)などが、ビットコイン現物ETFの申請を修正した。修正内容のほとんどは、標準的な情報開示や市場環境に関する説明のようで、大きな変更ではない。。

しかしこれはSECがこれらの会社とコミュニケーションをとり、おそらく議論していることを意味する。つまり、承認を保証するものではないが、それでも良いサインだ。

承認を待っているビットコイン現物ETFの申請は現在10を超え、同時に承認される可能性が高い。

またビットコイン現物ETFに続く可能性のあるイーサリアム現物ETFの申請は5件。これらのETFの取引が開始されれば、ビットコインとイーサリアムの先物ETFに対する需要は減少する可能性が高い。

3. ETFは暗号資産市場に何をもたらす?

暗号資産ETFに関するニュースは、我々が最近経験したとおり、暗号資産市場を動かす。10月16日、iシェアーズのビットコイン現物ETFが承認されたという情報が流れた。

その後、誤報と判明したがその前にビットコインは10%上昇した。これは承認が市場にまだ織り込まれていないことを示している。

ビットコイン、あるいはイーサリアムの現物ETFが承認されれば、より大幅な価格上昇が持続し、暗号資産に対する投資家の関心が再び高まる可能性がある。需要の多くは、従来の伝統的な証券口座を使って、ビットコインやイーサリアムに投資したいと考えている個人投資家が中心になるだろう。

|翻訳・編集:山口晶子、増田隆幸
|画像:mostafa meraji/ Unsplash
|原文:Crypto for Advisors: ETH Futures ETFs and What’s Next